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黒星
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キッチンへと階段を降りていきながら、自分の単純さに少し苦笑する。
(今日もきっと、いい一日になる――!)
なんて現金な奴だと思われるかもしれない。
それでも僕は、生まれて初めて経験する
この恋のような、友情以上の温かな感情を、ただただ大切に噛みしめていたのだった。
◆◇◆◇
それから、数時間が経過した――。
時刻は午後6時。
僕は自分の部屋のベッドの上で、ポテトチップスを頬張りながら、液晶画面に釘付けになっていた。
今期大本命の推しアニメの最新話がちょうど配信開始されたばかりで、一分一秒でも早く観たかったのだ。
画面の向こうでは、主人公と敵幹部との壮絶なバトルシーンが繰り広げられており
手に汗握る展開が続く。熱中するあまり、ポテチの袋はどんどん空になっていった。
「うっ…喉、乾いたぁ……」
激しい戦闘シーンが終わった瞬間、急激な渇きが襲ってきた。
そういえば、アニメに集中しすぎて飲み物を持って上がってくるのを完全に忘れていた。
「確か、冷蔵庫にスポーツドリンクの残りとか……炭酸とかあったよね」
ポテチの油が指先についたまま、僕は部屋を出て階段を降りた。
薄暗いリビングの電気をつけ、足早にキッチンへ向かう。
冷蔵庫のドアを開け、パッと中を確認したけれど――中身は驚くほどすっからかんだった。
「うわ…っ、マジで?何も無いじゃん……」
予想外の在庫切れに、がっくりと肩を落とす。
一度喉が渇き始めると、もう我慢ができない。
「あー、炭酸が飲みたい……。口の中が完全にコーラを欲してる…!やばい、どうしてもコーラが飲みたくなってきた……!」
舌がシュワシュワとした刺激を求めるように、ざらついて感じる。時計を見ればまだ6時すぎ。
「……仕方ない、近くのコンビニまで行くしか」
僕は部屋に戻って財布をポケットに突っ込み、玄関の鍵を掴んだ。
軽くストレッチをしてから重い扉を開けると、晩秋の冷え切った夜風が容赦なく肌を突き刺した。
「うぅ、6時なのに結構暗いな……それに寒い。ちょっと薄着すぎたかも……」
パーカーのポケットに両手を突っ込み
寒さを紛らわせるように小走り気味でコンビニへと歩き出した。
◆◇◆◇
数十分後
近くのコンビニで無事に冷えたコーラを購入し、僕は大満足で店を後にした。
レジ袋越しにプラスチックのボトルを握る手が、冷たいけれどどこか心地よい。
(よし、アニメの続きも見たいし、早く帰ろ!)
軽快に鼻歌を口ずさみながら、住宅街の帰路を急ぐ。
しかし、コンビニから数十メートルほど歩き
街灯の少ない暗い路地に入ったあたりで、おかしな違和感を覚え始めた。
「……?」