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―――某日。”東京大規模魔法事件”首謀者の一人である、空間支配系統魔術師『沙夜乃』の討伐に成功。

場所は”静岡県”の都市部内の笹岡赤十字病院屋上 。沙夜乃が率いる『異能犯罪集団』が一部を占領し、東京大規模魔法事件の時に展開された魔術と同等の何かを展開する計画を実行しようと企んでいた。

『異能犯罪集団』の人数は約400人程。現在確認出来ている中では、全員の負傷者と死体を確認。

『異能犯罪集団』が扱う能力等についての調査を開始。負傷者からの情報や解剖の結果、『偽・魔術師』が使用する魔術の中から、空間支配系統魔術師『沙夜乃』の『空間支配』と同じ術式を発見。『空間支配』の能力を少しだけ譲渡したとしても、それが全く同じ能力にはならず、別物の能力に変化する事が判明。

空間支配系統魔術師『沙夜乃』の討伐に出向いた、妖術師と錬金術師の二名が、『沙夜乃』の仲間と見られる人物を護送中に負傷。片方は軽傷で、もう片方は筋肉等の損傷等が確認され重傷と判断。早急に治療施設へ搬送され、施設現地の者から無事と報告済み。

現時点での一般市民の怪我人及び重傷者の人数は、 六人。一般市民の死亡者は、一人。


怪我人及び重傷者の名簿一覧。

・若林 隆也

・倉居 俊哉

・山田 健太郎

・小澄 夢菜

・谷尾 陽

・吉岡 庄司

死亡者及び行方不明者(行方不明者0人)

・稲田 正智


東京大規模魔法事件と比べて、魔法展開には至らなかったが、組織内では”被害は最小限に抑えられた”との意見や”もっと別の術師が出向いていれば被害は無かった”等の意見あり。

空間支配系統魔術師『沙夜乃』を討伐した張本人である妖術師と直接対談。様子からして怪我は殆ど治っており、順調に回復している。

以下、妖術師との会話。―――会話の一部抜粋。


「魔術師を討伐した時の事を覚えていますか?もし辛い様でしたら次の質問に移ってもらっても構いません」


「あぁ、全然大丈夫です。えっと……トドメを刺した瞬間ってのはあまり覚えてなくて。あの時は戦うのに必死で何も考えてなかった……って感じですかね」


「なるほど、ありがとうございます。では次の質問ですが、都市部専用術はご使用になられましたか?」


「えぇ、使いました。敵を無力化するのに凄く便利でした、術師としては有難い代物です」


―――中略。


「それでは最後の質問に移らせて頂きます。”貴方は東京大規模魔法事件の時と同じ魔術と同等の術を所持していますか?”」


「…………は、はい?」


「ですから、東京大規模魔法事件の時に使われた魔法と同じ威力を持つ術を所持していますか?」


「………僕が奴らに加担しているとでも言いたいんですか?」


「いえ、そういう訳ではありません。ただこれも調査の一環なので、お答え願います」


「………ありません。東京都内全ての人間を殺せる程の術は持ってません」


「―――そうですか。お時間掛けてしまって申し訳ございません、これにて対談は終了とさせて頂きます。ありがとうございました」


以上、対談終了。


魔術師を討伐した張本人である妖術師が、東京大規模魔法事件の犯人達と関与していた形跡無し。正式に組織の一員として迎え入れる方向に決定。

我が組織の会長『永嶺 惣一郎』様より、妖術師様本人に通達済み。


―――これにて事件当日の事後報告を終了。



今回の事件の疑問点の予想及び解答。

・空間支配系統魔術師『沙夜乃』が静岡県内で大規模魔法を再現しようとしていた理由。

予想、術師を誘き寄せた後の殺害目的。二度目の組織解体を企む。

解答、東京大規模魔法事件をもう一度起こそうとしている為、その実験。(解答者、妖術師様)

・空間支配系統魔術師『沙夜乃』たった一人で『異能犯罪集団』を統率出来た理由。

予想、それなりの地位がある人物だったから。

解答、『沙夜乃』の補佐役としてもう一人、力を持つ人物が居た。(解答者、錬金術師”永嶺 惣一郎”様) )

以上、予想及び解答終了。






「お疲れ様、気分は……良さそうには見えないね。それとごめんね、こんな疑う様な真似をして。でも君の為でもあるんだ、許して欲しい」


白い天井を見上げながら、僕は惣一郎の声を聞く。

静岡県の都市部の外れにある病院で、僕は怪我を完治させるべく天井を見上げていた。間違えた、安静にしていた。


「惣一郎さん。羽枝はどうなったんですか? 一般人の死亡者リストには載ってませんでしたよね?」


「羽枝は沙夜乃の隣に居た人物の事で合ってるかな?彼女は多分取り調べを受けている真っ最中かな」


「………沙夜乃の事について何か言ってましたか?」


「…………いいや、何も。何も言ってなかったさ」

「じゃあまた後日、次は別の場所で魔術師の発見情報が入ってるからその事について」


病室のドアが閉められ、室内に静寂が訪れる。自分以外、誰も居ない病室。真っ白な空間に扉と窓が1つづつ。


「これじゃ病院ってより、牢獄だな」



閑話:第一章 7.5 【完】

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次話、『第一章 8 』,『第二章 9 』。

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