テラーノベル
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夜の冷気に吐息を混ぜれば、それは白い霞となって街灯の中に溶けて消える。
かじかむ指を強く折り込んで感覚を保とうとすると、握っていたビニール袋の持ち手がカサッと擦れた。
「帰りにケーキを買ってきて欲しい」
そうお願いされたのは、今日の朝のことである。
その可愛いらしいお願い事に、無意識に顔を綻ばせながら頷いたのは、もう何時間も前のことだ。
閉店間際なこともあってか、洋菓子店のショーケースの中はまばらに隙間が空いていた。
「どんなものでも大丈夫。一番大きいのがいいの」
味の好みを尋ねると、愛しい人はそう答えた。
「足るを知る」を体現したような欲の無い彼が、そんなことを言うのは珍しいので少し驚いた。
店員さんへ一番大きいサイズのホールケーキを注文し、左端で静かに眠っていたオーソドックスな苺のそれを包んでもらった。
持ち帰り時間は四十分ほどと伝え、保冷剤を箱の中に入れてもらうと、間髪入れずに「何かプレートはお付けしますか?」と店員さんから質問が飛んできた。
少し考えて、「大丈夫です」と答えた。
彼の誕生日なら一ヶ月ほど前に盛大に祝ったので、「なんのためのケーキだ?」と、ここで俺は初めて首を傾げた。
甘いものを食べたい気分なのだろうか、ということくらいしか思い浮かばなかったし、あの小さな口で、目一杯大きく取ったケーキを頬張る姿をまた見られることが楽しみで、その二つ以外は考えられそうになかった。
洋菓子店を後にして、近くのコインパーキングまで歩いて行く。
この季節はただ外にいるだけで震えてしまうほど寒いが、なぜかゆっくりと歩きたくもなってくるから不思議だ。
この冷たさが頭をクリアにしてくれるからだろうか。
一歩、また一歩と足を前に進めながら色々な考え事をしたくなってくる。
今は、俺の帰りを待っていてくれている人がいるのでそんなことはしないが、今度一人で行動している時にでもやってみようと思う。
車に乗り込み、ケーキが崩れてしまわないようにしっかりと助手席の椅子に置いて安定させる。
溶けないように、エアコンのダイヤルを程よく左に回してから発進した。
自宅の地下駐車場に車を停め、ケーキの箱を両手に抱えて降車した。
エントランスでオートロックを解除して、エレベーターに乗り込む。
外も車内も寒かったためか、暖房などついていないであろうその中が、どことなく暖かかく感じられた。
到着したことを丁寧にアナウンスをしてくれる女性の音声を右耳で聞きながら、ゆっくりと開いていく扉をすり抜けるようにして、ホールへ降り立った。
この長い廊下の先には、我が家がある。
愛しい人が俺の帰りを待っていてくれている。
ここまで辿り着けば自然と気持ちは逸って、この足はまだかまだかと焦るように忙しく交互する。
コートの右ポケットに入った鍵を歩きながら取り出して、鍵穴に挿し、くるっと半回転させた。
玄関先で「ただいま」と声をかけると、彼はハンドタオルで手を拭きながら出迎えにきてくれる。
「おかえりなさい、蓮」
「ただいま、亮平」
結婚した日に贈った緑色のエプロンがよく似合っている。
ご飯を作ってくれていたのだろうか。ゆとりのある白いニットの袖は捲られていて、肘のあたりでポワンとした大きな風船が作られていた。
「ケーキ買ってきたよ」
「わぁ、ありがとう!」
「一番大きいのはこの種類しかなかったんだけど、大丈夫だった?」
「うん、大丈夫。仕事終わりにありがとう」
「ううん、喜んでもらえてよかった」
「着替えてくる?」
「うん、そうする」
「じゃあリビングで待ってるね」
寝室の中にある広いクローゼットの中から部屋着を出して、窮屈だったよそ行きの装いから着替えた。
首元が緩くなったおかげか息がしやすいが、これはきっと服装のおかげだけでは無いだろう。
ほっと息をつける場所だから。
誰よりも大切で大好きな人がそばにいてくれるから。
それも大いに関係していると思う。
今日という一日を一緒に戦ってきた服を洗濯カゴに納めてからリビングへ入ると、亮平はソファーに座って、何やら真剣にスマホをタップしていた。
「なにしてるの?」と尋ねると、亮平は「到着時間の確認」と答えた。
宅配便でも来るのかな?と予想立てていると、その直後にインターフォンが鳴った。
「あ、来たかも」
「俺出るよ」
「ありがとう」
リビングの壁に取り付けられたモニターを確認してから返事をすると、キャップを被った男性が画面越しに下を向きながら「宅急便でーす」と声を発した。
エントランスの解除ボタンを押して、「どうぞー」と声をかけると、配達員は「ぅいーす」と返事をした後、画面から外れていった。
しばらく経つともう一度インターフォンが鳴った。
玄関のドアを開けようと、そのつまみを捻った。
「ありがとうございまー……!?」
ドアノブを掴み、扉を前に押していった先でその姿を目に捉えると、俺の体は自然と硬直した。
ここに来るはずもない人が、ペカっとした笑顔を浮かべながら俺たちの家の玄関先に立っていた。
「ども!!佐久間急便でっす!!!!!」
「うちじゃないと思います」
「いや、住所はここで合ってるみたいですね」
「なら、尚更お引き取りください」
なぜここにいるのかは、この際どうでも良かった。
なんでも良いから、とにかく帰って欲しかった。
俺と亮平との時間にこれ以上水を刺されないように、片足分開けていたドアを閉めようとすると、佐久間くんの手が瞬時にそれを阻んだ。
「おぉいッ!届けもんちゃんとあんだよ!?」
「いりません!持って帰ってくださいッ!!」
「そうはいかないぜ!阿部ちゃんと約束してんだから…!…くッ…!」
「手離してくださいよ…!閉められないじゃないですか…っ!くそ、力強いな…ッ!」
「見くびるなよ…俺の筋肉はグラビア用ってだけじゃないんだぜ…っ、実用性も兼ねてんだかんな…ッ!」
「今日一やかましいですよ…!ぐっ…帰ってください…!」
双方、引いて引いての攻防戦をしばらく続けていると、後ろから「蓮?どうしたの?」という柔らかい声が聞こえてきた。
「あ、亮平っ!手伝って…!悪魔が入り込もうとしてきてるの!っく…ッ!」
「あくま…?あ、もしかして、佐久間来てくれた?」
「あべちゃーんっ!めめが入れてくれないのーっ!」
「騙されないで!こいつは佐久間くんじゃなくて、俺と亮平の時間を邪魔しようとする「悪魔」くんだからッ!!!!」
「もう、何してるの…、佐久間が風邪ひいちゃうでしょ?入れてあげて?」
亮平は俺を宥めるように頭をひと撫でしてくれた後、俺が必死に引っ張っていたドアを前に押した。
時間にしておよそ一分ほどの短い戦いは、俺の孤軍奮闘も虚しく、結果二対一のパワーバランスによってドアが大きく開け放たれ、呆気なく幕を下ろした。
「これめっちゃうまい!阿部ちゃんすげぇ!」
「佐久間がカプレーゼ食べたいって言ってたから、作ってみたの。口に合って良かった。…ん!これすっごく美味しいです、オーナー!」
「そう?なら良かった。さっきは一回抜けちゃってごめんね、準備大変だったでしょ?」
「いえいえ!全然です!」
「翔太が「絶対家から一緒に阿部ちゃんの家に行く」って聞かなくて」
「んだよ、俺のせいかよ」
「はいはい、ただいまのハグしないと気が済まないんだもんね。分かってるよ」
「んなッ!?そんなんじゃな…くないけど…」
「ん“ん“っ…ご馳走様です…!」
「康二くん、唐揚げすっごく美味しいね!」
「ほんまやね!だての味やわ」
「えび!えび食いたい!ひかる!えびちょうだい!」
「そんなにたくさん食べたら顔がえびになっちゃうよ?」
「んー、こんな感じ?」
「んはっ、変顔のレパートリーそれしかないじゃん」
何がどうしてこうなったんだっけ。
そう思わずにはいられなかった。
亮平と暮らす愛しい我が家は、今とても賑わっていて、目の前にはお互いをよく知る人たちで溢れていた。
佐久間くんが突然来訪してきてからの展開は、かなり急速だった。
オーナーとしょっぴーがモニター画面の向こうで手を振っていたのを皮切りに、ラウールと康二、岩本くんとふっかさんまでもが、この家のドアを五分置きに叩いた。
それぞれが思い思いに好きなものを食べて談笑する中、薄ぼんやりとしているここ一ヶ月くらいの記憶を掘り起こす。
確かに少し前、亮平が言っていたかもしれなかったからだ。
「クリスマスパーティーしたいね」
と。
そうは言ってもお互いの予定は合わず、未だ亮平のお願いを叶えてあげられていないまま日々は過ぎて、気付けばカレンダーはもう年末に向かい始めていた。
年の瀬に向けて仕事が立て続けに舞い込んで来てくれるのは嬉しかったが、反対に亮平と過ごせる時間はかなり減っていた。
しかし、そんな間にも、亮平が方々に連絡を取ってくれていたから、今のこの時間があるのだろうと思う。きっと、俺が比較的早く帰れる時間と、みんなの予定とを全て擦り合わせてくれたのだろう。
申し訳ない。
それが心からの気持ちだった。
佐久間くんをリビングに通すと、亮平は「今日はみんなでパーティーするから、佐久間にも来てもらったの」と言った。
いつの間にそんなに仲良くなっていたのかと驚いたが、どうやら二人は、一年前に参加したオーナーとしょっぴーの結婚式で会った時に連絡先を交換していたようだった。
そこまで頻繁に連絡を取り合ってはいなかったそうだが、時折佐久間くんから家で飼っている猫の写真が送られてきては、それに返事をしているうちに自然と打ち解けたそうだ。
ここまでたくさん準備をしてくれていたんだなと思うと、佐久間くんを無下に追い帰すことも出来ず、あれよあれよという間に、住み慣れたリビングは大変賑やかになった、というわけだった。
全員のお腹がある程度膨れたところで、先程俺が買ってきたケーキが登場した。
一番スマートに取り分けてくれそうなオーナーに全てお任せすると、そのテキパキとした手つきによって、すぐに全員の前にショートケーキが配られた。
コーヒーや紅茶を添えて、全員でその三角形にフォークを刺す。
一番上に乗ったいちごはどのタイミングで食べるか、という定番のテーマに議論は白熱した。
まっさらになった皿を亮平と一緒に下げて、キッチンへ持っていく。
シンクに山積みになったものを、亮平が手際よく洗って、俺はカゴに収まっていく食器を手に取り、一つ一つ丁寧に拭いてから棚に戻す。
ご飯を食べた後の、俺たちの大切な営みの一つだ。
「今日のお仕事はどうだった?」
「楽しかったよ」
「なら良かった。最近は楽しいって言うことが増えたね」
「亮平のおかげ」
「んー?俺はなにもしてないよ。蓮が頑張ってるからだよ」
こうして何気ない言葉を交わしたり、一日を二人で振り返ったりする。
なんでもないことが、実は一番幸せで、一番大切だと思う。
「たくさん準備してくれてありがとね」
「ううん、俺がやりたかったから」
「でも、一緒にやりたくもあった…」
「ごめんね、相談したら良かったね…年末だし蓮忙しいかなって思って、オーナーとやり取りしてたの…」
「ううん、そうじゃなくて、一緒にできなくて申し訳ないなって…」
「ふふ、その気持ちが嬉しいよ。じゃあ、来年は二人で企画しようか」
「うん、嬉しい」
一緒に何かをするから嬉しい、というだけではない。
付き合いたての頃はいつだって控えめだった亮平が、俺と同じように日々変わっていくことが、自分のことのように嬉しいのだ。
「俺でよければ」
「蓮くんがそばにいてくれる限り」
それが口癖だった亮平が、今は躊躇うことなく俺との未来に自信を持っていてくれる。
亮平の優しい愛情に包まれているような心地になって、これ以上ないほどの幸せを感じる。
俺も負けないように、これからももっともっと届けていく。
俺の全てで、いつまでも亮平を愛していく。
そんな気持ちを込めて亮平の頬に口付けながら
「今日もありがとう」
と伝えると、亮平はふにゃっとした満開の笑顔を見せてくれた。
毎日の恒例行事である「皿洗いリレー」が終わり、亮平と連れ立ってリビングへ戻ると、みんなは俺たちのことなどそっちのけでプレゼント交換会を始めていた。
「え!?またたび入りのおもちゃ!??いつ使ったらいいの!?」
「あ!それ俺から!俺ん家の猫がそれ大好きなんだよ!」
「いや、それは佐久間くん家の猫ちゃんに渡してあげて!?」
佐久間くんのプレゼントはラウールの元へ。
「帽子だ!おしゃれ!普段挑戦できないって諦めちゃいそうなデザインだから嬉しい!」
「それは俺が選んだやつだね。みんなかっこいいから誰でも似合いそうなものにしてみたよ」
「涼太!そういうのは俺だけに言って!!」
「はいはい、あとでね」
オーナーが選んだものは、岩本くんの手に。
「美顔器や…これ、俺が使うても意味ないやつやんか…」
「あ、それ俺。お前もなんだかんだお客さんの前出るんだろうから綺麗にしとけ」
「…そう言われればそうやな。頑張って使うわ、おおきに!」
しょっぴーからのプレゼントは、困惑した様子の康二の元に。
「重…なんだろ…え…?タピオカの粒…?なんで…?」
「それ俺が選んだやつ。それがあればいつでもタピオカが飲める。よかったね翔太」
「ドヤ顔すんな?これ嬉しいのお前だけだろ」
「タピオカかぁ…研究してお店で出したいな」
「その時は飲みに行きます」
「ふふ、ぜひ評価お願いいたします」
岩本くんが包んだものは、しょっぴーの腕の中に。
「わ!ゲーム!?まじで!?って、え!?」
「それ俺からー。マジ楽しいからやってみ」
「いや本体は!?俺持ってないんだけど!?」
「んな高ぇの他人の分まで買えるかよ。佐久間最近ギャラめっちゃ上がってきたんだから自分で買え」
「そういうこと言わないよ!?マネージャー!?」
ふっかさんからの贈り物は、佐久間くんの手の中に。
「ルームウェアだ。え。うさ耳ついてる…」
「それは僕が選んだの!かわいいでしょ!オーナーに当たって欲しかったから、そうなって嬉しい!」
「ありがとう、でもちょっと若すぎない?」
「涼太だから大丈夫。今日の夜から着て」
「洗濯してからね」
「む…」
ラウールの可愛らしい小包みは、オーナーの元へ。
「お、ブランケットか。あったかそうだな…って…これなんでうさぎのしっぽみたいなの付いてんの?」
「俺が選んだやつや!かわええやろ!しょっぴーに当たったら舘とうさぎシリーズでお揃いになっておもろいなー言うて、ラウと一緒に買ったんよ」
「んまぁランダムだと大体そんなもんよね。でもありがと、大事に使うわ」
康二からのプレゼントは、回り回ってふっかさんの足の上へ。
それぞれの開封作業が終わるまでその様子を亮平と見守っていたが、内心は頭を抱えるばかりだった。
大切な仲間のことをとやかく言いたくはないが、アイドル組のプレゼント選びのセンスが壊滅的だったからだ。
佐久間くんは、全人類が猫を飼っているとでも思っているのだろうか。
しょっぴーは康二を上手く丸め込めたと思っているようだが、その実何も収まってはいない。あれは完全に、自分が欲しいと思っているものを、つい買ってしまったというオチだろう。
岩本くんは筋トレのし過ぎで重さの物差しが壊れてしまっているのかもしれない。
「硬いタピオカの粒が[10kg]も入った袋を持ち帰る方の身になってあげてください…岩本くん…」と思わずにはいられなかった。
ツッコミどころしかない交換会に9人全員でひとしきり笑い、程なくしてお開きの時間になった。
「楽しい時間はあっという間に過ぎ去る」というのはこの世の常だが、いつだってその瞬間は楽しくて心がほかほかして、同じくらいどこか物足りない気持ちにもなる。
多忙な年末に時間を作って来てくれたみんなを玄関先で見送り、ゆっくりと閉じていったドアに鍵をかけた。
先程までの賑やかさはどこへやら。一瞬でがらんとしたリビングへ亮平と戻り、ソファーへ座ろうとしたところで、そこにラッピング袋が置かれているのを見つけた。
「あれ、誰か忘れてっちゃったかな」
「あ、それは俺から蓮に」
「えっ!俺に!?ありがとう!開けていい?」
「ふふ、どうぞ」
「なんだろ、嬉し、ぃ…………ぉお…?」
「…あの…これが限界でした…」
袋の中に入ったものを取り出し両手でそれを広げてみると、俺の口からはなんとも表現し難い困惑したような、ある意味感動しているような、そんな声が漏れ出した。
一方で亮平は、恥ずかしがるように下を向いて、頬を染めていた。
肝心のプレゼントの中身は黒いTシャツだったが、そのデザインはとても進歩的だった。
前面に達筆な白い文字で、大きく「亮平」と書かれている。
本音を言うとリアクションには大変困ったが、俺を思って用意してくれた事がとても嬉しかった。
「ありがと、用意してくれてたんだね。嬉しい」
「気に入った…?」
「うん、毎日着る」
「よかったぁ…」
「でも、どうしてこれ選んでくれたの?」
「…ここ最近毎日それとなく「何か欲しいものある?」って聞いても、蓮、「亮平」ってそればっかりで、思い付いたのこれしかなかったの」
「あ、あー…、…っふ、ぁはははッ!」
そういう意味だったのか、と今になってやっと、亮平が一ヶ月前くらいから欲しいものはあるかと聞いてくれていた意味を理解した。
申し訳ないと思いつつも、亮平のその斜め上すぎる発想が面白くて、愛おしくて、大きく声を上げて笑った。
「もう!笑いすぎだよ!」
と言って右頬を膨らませる亮平を抱き上げて、寝室へ向かう。
亮平は俺が何をするつもりなのかを察したようで、両足をバタバタと交互に動かしていたが、その仕草すら俺には可愛く映って、「好き」が心の中にとめどなく溢れていく。
右肘でノブを回して、肩で扉を押し、亮平の体をそっとベッドに寝かせる。
その顔の横に左手をつくと、そこに嵌る白銀の輪が月の光を反射した。右手の親指でそのぽってりとした唇を撫でると、その頬は真っ赤に熟れる。
「こっちの「亮平」も俺にくれる?」
そう尋ねると、亮平ははっとしたような表情になり、更に濃く、そして耳までもを朱に染めた。
「いいよ」を貰えるまで、潤んでキラキラと光るその瞳をじっと見つめていると、亮平は俺の両頬を包み込んで引き寄せた。
右頬が金属の感触を僅かに捉える。
それは、俺と亮平が誓った永遠の証。
ちぅ、と亮平から鳴る小さなリップ音の後にもう一度見つめ合うと、亮平はまた、ふにゃっと笑って言った。
「いくらでも」
どくどくと高鳴る鼓動を感じながら、ふわふわと最高潮まで舞い上がった頭の中で
「亮平に贈るプレゼントはとびっきりのものにしよう」
と、自分自身に幸せな宿題を出した。
コメント
3件

久々にこのペアー達の話し 最高です😆 亮平命の蓮 素敵です💓
素敵ーーーー🤦🏻♀️🤦🏻♀️ そしてプレゼントのセンス個性溢れすぎてて好き😂😂

面白かったです😊 🖤💚最高です❤️