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〜翌日〜
(今日は説得しに行く日だ!頑張るぞ!)
食堂に行くと、ゼルがいる。
ゼ「相変わらず早いな。」
リ「ゼル。お願いがある。」
ゼ「何だ?お前がお願いなんて、珍しいな。まあいい。聞いてやる」
リ「この城に、シャイナって子、いるでしょ。」
ゼ「ああ、シャイナか」
リ「その子に、旅をさせてあげてほしい。」
ゼ「駄目だ。」
急に、目の前が真っ暗になった。
リ「…何で」
ゼ「後で話そう」
リ「わかった」
〜30分後、ゼルの部屋〜
リ「教えてよ。シャイナが、外へ出てはいけない理由。」
ゼ「...これは、私の過去の話。」
ーゼル視点ー
私は、生まれたときから、拝められ、大切にされてきた。
なにか、魔法の才能があるとか、絶大な魔力を持っているとかで、ユリーフの民族の中でもトップに輝いた。
20歳になった頃、彼氏ができた。
ユリーフは、恋愛感情に気づかない場合が多い。特に、魔力が多い場合は、愛しているのに気づかないときだってある。
でも、私はそれでも彼のことが好きだと、一瞬でわかった。
すぐに私たちは結婚し、子供を産んだ。女の子だった。
だが、彼の血を引いたからか、長生きする魔法は覚えられなかった。
そして、夫はユリーフの天敵、ゾワールによって旅の途中に死んだ。
ゾワールは、ユリーフの集落を一気に倒せるし、魔法も使える民族だ。
私にとっては一瞬の時間だった。
たった一回の旅に出ただけで、こんなことになるなんて…
瞬きする間に死んでしまっているではないか。そう思っていた。
隣をふり返ると、もう大人になって、女の子の子...私の孫を産んだ、私の娘がいた。
最愛の夫を失ったダメージは大きく、3年ほど、立ち直れなかった。
だが、孫たちの応援もあり、3年後、私は復帰した。
そう。その孫こそが、シャイナなのだ。
私は、二度とあんな思いをさせたくない____したくないと思い、外への外出を禁止した。
だが、そんなに出たかったなんて...
確かに、旅の1回や2回、行かせてやればよかった。私と一緒であれば、安心だったはずなのに。
ふと、自分のした馬鹿らしい行動に、涙が1滴、こぼれ落ちる。
リ「__!?」
リューシュがびっくりした表情を浮かべる。
ああ...
ーリューシュ視点ー
そんなことがあったなんて...
ゼルの孫が、シャイナ...
ありえなくない話だ。
そんな壮絶な過去に、私も涙を流した。
そして、ゼルと2人で泣いた。