「おっ、おかえり瞑!!」
「うん。」
「おっおいしそう!!ハンバーグなんだ、珍しいね! 」
「うん、いただきます。」
「みょっちゃん、ちゃんと言えてエライッ!」
「うん…。」
この態度のまま高校受験に行かせるのは不安だな。
「おいしい。」
「ほ、本当だ!おいしいよマー!」
「良かった良かった、いっぱい食べて。」
「おお、珍しくうまい。」
「なんか癪に障るわね…。 」
「パー、酷い。だからパーって」
「うん、勇、ハンバーグ、おいしいね。」
「えっ、うん!!おいしいね〜!」
瞑もうまくなったな。勇の扱いが、というと語弊があるが。
「ごちそうさまです。勇、お先に。」
「ま、まって!!いま食べ終わる!」
あぁ〜、そんなかきこんで。瞑も待ってやればいいんだが。まあ、瞑だもんな…。
「サムちゃん、かなり元気ないなぁ。」
「だからといって、壁に穴開けんのはご法度だ。」
「そうね。ふっ、それは、そうね。」
「なに笑ってんだよ。」
「代わりに々の調子が良さそうに見えちゃって。」
「そう、か。そうかもしれないな。」
「なに!?今日はやけに素直ちゃんなんだけど…!」
「いつもは頑固みたいな、言い方やめろ。」
「はいはい、優しくなったねえ、々も。」
「じゃあ。」
「は〜い。」
楽しい、幸せ、恵まれている。
この言葉たちは、似ているようで、 全く違う。
気分で変えられるもの。
行動で変えられるもの。
環境で変えられるもの。
視点と経験で、性格と態度が決まる。
記憶と空気で、人格が決まる。
それによって人生の密度が変わる。
そういうもんだ。
矛盾するが、 人生の密度は自由自在だ。
この家にいる奴らは、少なくとも、そう思っていたい奴らの集まりだ。
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