「わぁ、この桜の木すごいキレイ!」
「君もそう思う?」
「⁉︎びっくりした。君だれ?」
「さくら。」
「さくら?この木と同じ名前だ!」
「君の名前は?」
「わたしはさきっていうの!」
「さきちゃん、どうして一人でこんな山に居るの?お母さんやお父さんは?」
「下からキレイな大きい桜が見えたから1人できたの。さくらこそなんでこんなところにいるの?」
「近くに家があるからよく来るってだけ。早く帰りなよ。」
「もうちょっと見てたいな。こんな桜初めて見たもん!」
「綺麗なのは分かるから少し見たらすぐ帰るんだよ。」
「……なんでそんなにここから遠ざけようとするの?」
「そんなことない。」
「教えてよ、さくら。何かくしてるの?」
「何も無いから。」
「うそつき!言ってくれてもいいじゃん!」
「……そこまで言うなら、誰にも言わないなら教えてあげてもいいよ。」
「誰にも言わない。」
「よし、なら話すよ。さきちゃんは知らないと思うけど、この桜の樹は何千年も前からここにあるんだ。そして、私は何百年か前からずっとここにいる。…ここまで分かる?」
「うん。さくら長生きなんだね。」
「そして、この桜の樹の下には私が埋まってる。どうしても大好きなこの桜の近くに居たかった。それからはこの町を悪霊から守ってる。でも、あまり話が広まりすぎると良く無いからひっそりとここに居る。」
「へー。なんかすごいね!」
「話したから早く帰りな。」
「わかった、今日はもう帰る。また明日くるね、ばいばいさくら!」
「出来ればもう来んなよ。じゃ。」
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