コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ブラックは再び彼女の耳に口をつけて囁いた
「金を盗みに来た連中よ全部で三人、武装して銃を持っている店にいる全員を人質にとっているわ」
大きく喘ぐ音が聞こえたが、彼女は声を出さなかった
「私の下で体を縮めなさい、あたしは体が大きいから、もし弾丸が飛んで来てもあなたには当たらないかもしれない」
彼女は素直にしたがって、手足をくっつけて丸くなった
これでもし銃弾が飛んできても、自分の体に当たったとしても彼女が怪我をする確率は減った
そこで小さな子供が大声で泣いた、興奮した強盗犯の一人がまた宙に向けて発砲した
叫び声と悲鳴がフロアにこだまする麗奈が顔を起こした
「い・・・・今のは――」
うずくまっている彼女は鏡を見ることが出来ないので状況がわからない
「大丈夫よ―、誰も撃たれていないわ、どうやら犯人は人を殺すのが怖いみたいね」
ブラックは常に今から起こることの三つの先を頭の中で考えることにしていた
彼が試合で勝利を収めているのも、この能力のおかげだろう、鏡越しに犯人達の様子を伺ってみる
レオが両腕を頭の後ろに組みながらジリジリと犯人に近づいていた
上手い近づき方であることはほめるべきだろう
札束に浮かれている犯人達は、まったくレオの動きに気づいていない