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???「はぁ……暇だなぁ〜」???「すぅ……すぅ……」
ここは、橙の家。ため息をついているのは「紫雲雨花」。横で寝ているのは「海音」である。
雨花「海音ちゃんは寝てるし……ここ最近は、海音ちゃんの看病とか紅緒兄妹の喧嘩とか化茶の再来とか死神組襲撃とか……まぁ色々あってなんだかんだ面白かったけど、もう一週間は面白いことが起きてない〜ちぇ〜」
雨花「ん?この気配は……」
ピンポーン
???「すみません〜!」
雨花「はいはーい」
扉を開けると、そこにいたのは……
雨花「こんにちは!」
「「小春くん!」」
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雨花「どうしたの?小春くん?わたしに用事?それとも……」
「「海音ちゃんに用事?」」
雨花は想わずニヤける。
小春「あぁそうなんです。海音ちゃんから雨花さんの看病のお手伝いをしていると聴いたので何か手伝えるかと……でも……」
「「今は寝てるんですね。ははっ」」
海音は机に突っ伏してすやすやと眠っている。
雨花「(あっ!そうだ!)」
雨花はニヤニヤが止まらなくなっている。
雨花「わたしちょっと仕事があるんだよね〜」
小春「えっ?でも今は休んでいるんじゃ?」
雨花「それがずっと休んでる訳にもいかなくてね?もう一ヶ月は休んでるんだよ。溜まりに溜まった仕事が火を噴きそうなんだ〜だからやらなきゃいけないの。でも海音ちゃん一人残す訳にもいかないから小春くん海音ちゃんに付いててくれる?」
雨花「(この二人を密室に……ひひひっ)」
心做しか雨花に悪魔の角としっぽが生えているようにみえる。
小春「そういうことなら分かりました!海音ちゃんのことは任せて下さい!」
雨花「はいはーい!よろしくね?」
そして雨花は、橙の家を出た。
雨花「げっひひ!!さてと二人を観察するとするかな〜」
雨花は神通力で千里眼を使う。
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小春「……………」
海音「……すぅ……すぅ……」
小春「この寝方……結構キツそうだな。ちょっと失礼……」
小春は海音を……
小春「よいっせっと……よしこれでよし」
小春は海音をベッドに寝かせた。
────お姫様抱っこで。
小春「あとは毛布をかけてっと……」
海音「…………ママ……待って……」
小春「ん?夢でもみてるのかな」
《ずっと勉強してて、勉強に関係ないことはやったことなくて、ずっと憧れてたの。こういうみんなにとっての当たり前の行事。当たり前のこと。》
小春「海音ちゃん、もしかして家庭環境複雑だったりするのかな……いやこんな風に聴いてもないのに探るようなことをするのは良くないな……」
海音「…………うっ……ん……ママ……」
小春「うなされ始めた……!えっと……こういう時どうすれば良いんだっけ……?」
小春はじたばた慌ててていた。
小春「あっ!そうだ!おれの母さんはこういう時……」
海音「……ん…………えへ……へ……すぅ……」
小春は海音の頭を……
小春「よしよし。海音ちゃんは優しい子。海音ちゃんは頑張り屋。そして……可愛い子。」
そう言いながら、海音の頭をずっと撫でた。
傍からみるととても暖かい。そしてぬくもりのある空間がそこに広がっていた。
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雨花「ぐっふふ……二人とも良いかんj」
橙「あ・め・か・さ・ん・?」
雨花「あっ……橙ちゃん……」
橙「あーなーたーはー!!!!こんなところで何をしてるんです?!?!この神聖な冥府の中で!!何ニヤついてるんです?!」
雨花「ごめんて!ほらちゃんと仕事だってしてるでしょ?ね?」
橙「そもそもここにいること自体が問題なんですよ!!何度言ったら分かるんですか!!あなたの怪我は、じゅ・う・しょ・うなんですよ!!私の家で大人しくしてて下さい!!ほら帰りますよ!!」
雨花「えぇ〜もう少し〜」
橙「…………」
雨花「はいすみません今すぐ帰らせて頂きます」
雨花は橙に半ば連行されるように帰ることになった。
家に帰ると……
橙「え?どうして小春さんがいるんですか?」
雨花「あはは!小春くんまで寝てる〜」
橙「ちょっと雨花さん……?」
雨花「ひぃぃ!いやあのその……実は……」
雨花は、訳を話すと橙にカンカンに怒られたのだった。その傍で頭を?マークにしてる小春と赤面になっている海音がいた。
橙「全くもう……あなたという人は……」
橙「ほら早く海音さんに謝って下さい」
雨花「すみませんでした」
海音「え?何で小春がいるの?え?え?ていうか私……机に突っ伏して寝てたはずじゃ……?」
雨花「……あー……それは……」
小春「それはおれが運んだんだよ」
「「お姫様抱っこで」」
海音「~~~~!!!!」
橙「あぁ……あなたこの姿がみたかったんですね?」
雨花「ひひっ。ごめんね?海音ちゃん」
海音「雨花!!もう~~~〜!」
雨花をポコポコ殴っている。
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小春が家まで送る、と海音に言い、言葉に甘えて付いていくことにした海音。
雨花と橙は、二人をみ送る。
橙「……で?その写真はどうするんです?」
雨花「あっバレてた?」
雨花のスマホにはしっかりと海音と小春の寝顔ショットが残っている。
橙「あんなにニヤニヤしてたんです。やると想ったんですよ。それで?なぜあの二人をそれほどまでに応援するんです?」
雨花「海音ちゃんには申し訳ないことしちゃったから。海音ちゃんは小春くんのこと好きみたいだし。余計なお世話なのは百も承知だよ。でも、それでも、海音ちゃんには誰か……特別な人を作って欲しくて。家族のような。」
橙「…………海音さんのご家族は……もう……」
雨花「瑠璃くんはいるけど、それでも、海音ちゃんは……あの時とても苦しそうな目をしてた。」
《私のこと裏切ったあなたなんて……》
《いらないわ》
雨花「……多分もっと自分を……もっと……誰よりも考えてくれる……そんな人がそばにいてくれたらな……って。……あはは!本当に余計なお世話だね!」
「でも……」
雨花「実はちょっと羨ましかったりして……」
橙「何がです?」
雨花「ん?……あはは!」
(…………わたしにはそういう”特別”に人を想うってことがよく分からないから……ね……)
雨花「何でもないよ〜!さぁ!夜ご飯食べよ〜!」
橙「え?あ、はい」
こうして、雨花と橙は、家に帰り、海音と小春は距離が縮まったのかな?
少なくとも今の四人はとても暖かい気持ちになれてるのは事実である。