40分ぐらい経っただろうか。
「あ〜疲れる…」
ただでさえ和服を着た初心者が山を登るのは危険だというのに、この山は舗装がされていない。
休憩を挟みつつもしばらく歩くと、山頂に辿り着いた。
頂上からの景色を見てもこの山が高いとは感じられない。
ほとんどは森だが、墓地と一軒の建物がある。
(あれが叔母さんの言ってたお寺?)
食料と私が産んだ物の入った大きい巾着袋を持ち、寺らしき建物に向かって下山した。
登山よりも下山の方が楽だと思い舐めていたが、足が滑って転んでしまった。
(怪我は…してなくて良かった。)
和服に付いて汚れを払い、今度は慎重に歩く。
十数分程経つと、下り坂がなくなり山を降りきったようだ。
目の前には墓地が広がっている。
昼間の墓場なんて前世でも行ったことがあるし、恐怖感なんて感じないはずだ。それなのに、この墓地には何かが出そうな薄着未悪さがある。
寺の前に着いた。あまりの静けさに、声を発するのが少しだけ緊張する。
「すみません、誰かいらっしゃいますか?」
寺の中から足音が聞こえ、格子門戸が開く。
出てきた男の額には、縫い目があった。
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