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(!?)
一瞬驚愕で声が出そうになった。加茂憲倫を乗っ取っている最推しの羂索がいたからだ。
「えっと、こんにちは…」
前世から受け継がれた私のコミュ障のせいで何て話せばいいのかが分からなくなり、取り敢えず挨拶をしておいた。
加茂憲倫もとい羂索の目が、私から生まれた物と食料が入った巾着袋に移る。
「君の巾着袋に入ってるソレ、見せてくれるかい?」
胎児のような禍々しいものを巾着袋の中から探して出す。
「これのこと…ですか?」
羂索は顎に手を当てまじまじとそれを見た。(肉体はおじさんなのになんか可愛い…)
「ああ。どのようにこれを入手したのかな?」
「まず、変な化け物が家に来て___________」
叔母さんにした話と同じ内容のことを説明する。話している途中で、生まれた物は呪胎九相図だという予想が確信に変わった。
「_________それで、私から変な物が生まれました。」
「成る程ね。呪術というものを知ってるかい?」
どう答えるべきか迷うが、私に前世の記憶が無ければ呪術のことなんて知らないだろう。
「いえ、呪術っていうのが実在するんですか?」
「一から話した方が良さそうだね。説明には時間がかかるから、私の寺にあがってくれ。」
羂索に付いて行き、寺の中に入る。
入ってすぐの部屋はよくある寺の中みたいだったが、奥の方に行くと明治初期の住居だった。寺に住んでいるようだ。
私と羂索の他に人はいないが、御札や怪しい武器などは結構ある。多分呪具とかなのだろう。
羂索は居間のような部屋に入り、ちゃぶ台の前にある座布団に座った。私も羂索に促され、羂索の向かい側の座布団に座る。
「まだ名前を言ってなかったね。私は加茂憲倫だ。」
「暁 琥珀です。」
明治時代からは、庶民の私でも名字を公称できる。
「早速説明するよ。負の感情が呪力という力になって、人からは微弱ながら漏出しているんだ。」
「それらが蓄積して生まれるのが呪霊…所謂妖怪や怪異のようなものだね。」
「私の両親を殺した化け物も呪霊ですか?」
呪術廻戦の世界だと知れば化け物は呪霊ということが分かるが、私は呪術を知らない人のふりをしなくてはならない。
「そう。呪術師ではない人間…非術術には肉眼で視認はできないね。」
「呪術師というのは、呪力を操作でき超常現象を発現することの人間だ。」
呪術ということについての、詳しい説明が始まった。