ヤンデレをさがせ!
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_♦︎_
もしもしー!! 今日はいつもよりか動き鈍かったんじゃない〜? 水飲む回数、いつもより多かったよね! ちゃんと休息取らないとダメだよ?俺心配だったんだから!あと、潔が口付けて飲んだペットボトルも回収しておくね!…取られちゃうから。
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毎日
_♢_
潔、なんで折り返しくれねぇんだよ?…まぁお前抜けてる所あるしな〜。俺は優しいから許してやんよ。それとお前朝鞄の中身確認した方が良いぜ?机の上に置きっぱだったプリント今日までだろ?俺が毎朝起こしてやるからきちんと確認しろよー?
 ̄ ̄
毎日
_♤_
ねぇ潔、俺今日は面倒なの我慢して自分で起きて準備して登校出来たんだよ。偉い?偉いでしょ?偉いよね? 潔が昨日の放課後言ってたから俺頑張ったんだよ?ねぇ潔、褒めてよ。いつもみたいにさぁ。
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毎日
_♠︎_
なぁ潔、俺が送った指輪気に入ってくれたか?ちゃーんと潔の指に合ってるから安心しろよ。でも、お前に何も言ってないし、サプライズだったからな、やっぱ違うか。今度は俺とお揃いの買おうな!式場も決めなきゃだしな♡
 ̄ ̄
毎日
_♧_
潔、潔。今日は授業中うとうとして先生に当てられてたよな。ビクッて驚いてたの可愛かった。昨日は遅くまで練習してたみたいだし、5時間しか眠れてないよな。きちんと体休めなきゃだぞ。休養大事。
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毎日
_☀︎_
潔くんは本当かわええねぇ?でもな、ちょっとクソモブと距離近いんとちゃう?僕、嫉妬してまうわぁ…あ!潔くんは僕に嫉妬して欲しかったんやろ? 大丈夫やで。僕、ずぅっと潔くんのこと大好きなんやから♡
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毎日
_☁︎_
潔くん、好き嫌いはダメだよ?嫌いなのも残さず食べないと。身長も大きくならないよ?気にしてるもんね、潔。でもそんな潔も可愛い♡
 ̄ ̄
毎日毎日毎日毎日
知らない誰かから電話が掛かって来る。
着信拒否にしている筈なのに、何故か毎日同じ様に電話が来る。
俺の名前も、顔も、年齢も、学校も、住所でさえも。あの口ぶりからして全て分かっているらしい。
怖い
電話からピーと音が鳴る度に怯えるようになった。
どこから見てる、どこから聞いてる?
「…今日は、まだかかってきてない、」
毎日日替わりで違う人の声がする。日に日に増えていっている気がしてしまう。最初は1人だけだった。元気の良い少年のような声で喋る人、顔も名前も知らない人。その人から始まり今では何人かも把握出来ていない。
「………ッ、なん、で、おれが、」
その問いに答えてくれる者は誰もいない。代わりに、静寂が応えてくれた。
窓の外から聞こえてくる犬の遠吠え、人がコツコツと歩く音、話す声、少し動いたらベッドがギシッと軋む音。全てに怯えてしまう。
人よりも五感が鋭いため、尚更だ。ストーカーが家にいるのでは。すぐそこにいるのでは。そんな考えが止まずにぐるぐると思考を支配していく。外に出ることがこんなにも億劫になってしまったのは初めてだった。
【ヴーーヴーーッ】
机の上へ放置して今の今まで忘れていた端末から電話が掛かる。覗いて見ると知らない番号から。
今までの電話は全てこの家へ設置されている固定電話から掛かってきていた。だから違うと思った。言い訳かもしれないが、端末の方はバレてない、という根拠の無い自信があった。
だから、なんの躊躇いもなく出てしまった。
「…もしもし、?」
「……………」
「…えぇっと…」
「……………」
「あの、」
ブチッ 【ツー…ツー…】
は!?
…とは思ったが、久しぶりに迷惑電話を受けてどこかホッとしている自分がいた。
だって、もしストーカーなら何か話す筈だし、携帯の番号は流石に分からないだろうと思ったから。
「ッはぁ、………よかったぁ、」
【ヴーーヴーーッ】
「っは、ぁ?」
再び着信が来る。さっきのとは、違う番号から。
【ヴーーヴーーッ】
「え、えっ、?」
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
【ヴーーヴーーッ】
無機質な機械音声が端末から鳴り響くと共に、
ピンポーン
と、家のインターホンが鳴る。やけに大きく耳に届くその音。静寂が包むこの家に、奇妙に鳴り響いている。
「逃げなきゃ、はやく、ここから、」
頭が真っ白になりながらも、逃げろ、と警戒音が頭の中で木霊する。震える足をなんとか奮い立たせ、転ばないよう細心の注意を払いながら歩く。
玄関までの長い廊下を壁伝いに歩く。
扉の前まで来た時、ほんのちょっとの出来心と好奇心で外の覗き穴を覗いてしまった。
眼下に広がる黒、黒
黒と、目が逢った。
「潔?あーけーてー?」
誰の声か、なんて。最早判別は出来ない。
脳で考える事を放棄したかの様に、不思議と言う通りにしてしまう。恐怖心から来る服従なのかは定かではないが、震える手でドアノブを掴む。鉄のひんやりとした感触が嫌に染みる。
ガチャリ、ドアノブを回す。
目の前には________________________
そこで俺の意識は途切れた。
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知らない番号から掛かってきても相手にすんなよな!
コメント
2件
あ、はい最高っすね、続きは妄想でもしときます、内容が神ってる