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「…ッ//…….一体何が目的だ、//…」と千空は話を切り出した。
現在、ゲンの席案内の最中である。
「…む、俺ご主人様だよー?」とゲンが言う。
「…野郎がただメイドのコスプレしてるだけだってのに数万支払ってまで芸能人様が来る必要ねぇーだろ」と呆れる千空。
「んー?俺は数万円払ったくらいで破産するようなダサい男じゃないからいいの♪」とゲンが話した後、「…論点そこじゃねぇ」と返した千空であった。
ゲンがあたりを見渡すと一般席(5万円)と奥に行くとプレミアム席の個室(8万円)があるのが見える。
他には自由に寛げる休憩室、マッサージ室など金がかかるだけあって色々と設備が整えられている。
ほとんどは一般席(普通のメイド喫茶のような仕様)に客が座っているから”何かあった時”にスタッフが対応できるが個室で、 もし厄介な客だった場合、危なすぎないかと目をギョッとするゲン。
そんなことを考えていると、
ジロッ
「…ッ//!」
何故か、視線を感じた気がした。
ガチャッ
「ご主人様、本日は夜景が見える西の部屋(プレミアム席)でご寛ぎください。ご注文が決まりましたらお呼びくださいませー(棒読み)」と真面目に仕事をし始める千空。
「千空ちゃんがちゃんとメイドしてる…」
と驚きを隠せないゲン。
「てめぇーは俺のことをなんだと思ってるんだよ…これくらいやるわ、アホ。」と千空が答える。
「…へぇ、千空ちゃんは”これくらい”はするんだね。プレミアム席の客に指名とかはされてるの?」とゲンが聞く。
「あぁ”?そりゃあ、ここで働いてりゃ、指名されて個室で接待くらいは普通だわ。一人、毎回来るたびプレミアム席の奴が俺を指名してくるくらいだ」と千空が話す。
「…ふーん?そっか。」とゲンが暗い表情をした。
一体なんなんだと千空は思ったが、客を部屋に送り届けたら、千空はすぐにフロントに戻って他の客の部屋案内をしなければならないためゲンがいる部屋を後にした。
フロントに戻ると羽京の姿はなかった。おそらく、龍水を部屋に案内した後、即指名されてフロントに戻ってきてないのだろう。
そんな時、「千空指名入ったってよ〜!」という同僚からの伝言を預かった。
ガチャッ
「失礼しま〜す♡指名してくださりありがとうございます♡ご主人様ぁ♡」
完全に作ったキャラ、作った笑顔、作った甘い声。そこに愛も喜びもクソもない。
“ご主人様”はそれに気が付かない。
ただ責務を果たすだけ。メイドの千空はそうやって出来てきた。
「千空く〜ん♡♡今日も指名しちゃったぁあ♡♡かわいいねぇ…♡俺だけの千空くん♡♡♡」
個室で毎回千空を指名してくる客がニヤニヤと不気味に笑う。
「…嬉しいです♡」
嬉しいわけがない。大体、40〜50の年齢の金持ちのジジイが来る。これだけの大金でここのメイド喫茶に通えるくらいなのだから中々仕事ができるのだろう。だが、それとは別で仕事はできても人間的に気持ち悪い部類の奴がここに訪れるのだ。
だからこそ、ここにいるメイドの数々は龍水という若くかっこいい”ご主人様”が来た時、気に入って貰えるよう、そして指名して貰うために接待をしていた。
だが、そんな中羽京はいつもと変わらなかったため、”ご主人様”はそれが気に入ったらしい。
「…千空くん♡♡、……俺の千空くんなのにさっきのは誰?」とこちらをジトっとした目で見できた客。
「…ッ、他のご主人様の席案内をしていました♡」と答える千空。
気持ち悪すぎるけれど、千空は冷静さを保ち、耐えた。
「他の”ご主人様”ってなぁに?俺だけでしょ??千空くんの”ご主人様”は。」と言いながら千空に接近してきた。
嫌な予感がした千空は部屋から逃げようとする。
ドカッ
「…イッ、、…///…イタッ…////…!」
「ねぇ?なんで逃げようとしているのかな?」と床に押し付けられる千空。
……ッこの体勢は、…流石にヤベェ…//!…
「…もういいや、我慢してたけど千空くんが俺のものだって今からじっくり教えてあげる♡♡♡…。大丈夫♡♡、俺こういう事は得意だから♡♡」
「…ナッ……、、!//…ヤメッ……///………。」
スッ
「……♡♡♡グフ、千空くん、かわいいねぇええ♡♡♡」
「…ッ………//!!!…ヤッ……!!…」
コイツッ!!…スカートめくってきやがった……!!
…気色悪すぎるだろ………!!、
他のスタッフ呼ぶにも個室でドア閉まってるから無理だ……ッ……、!
………ッ誰か……
ガチャッ
……?
突然、ドアが開いた。
そのままシャッター音が響く。
カシャッ
「…ねぇ?どうしたの?そーんな焦った顔して?…教えてよ、早く。」
そこには、笑っているゲンがいた。