『愛してる』『好き』
この世に溢れかえって生ゴミのように散らかっている言葉。僕は大嫌いです。
そもそもこの言葉は重すぎるのです。人間が使うには不釣り合いなのです。然し、ある人が僕にこの言葉を使いました。僕に『愛してる』と。
僕は目を丸くしました。人間がその言葉をいい、僕に云う。思いもしませんでした。
『愛してる』この言葉は、責任にまみれている。制約だらけで実に己の自由意志に反しようとしている貴方が使うような言葉じゃないのです。
だけど…貴方はそれを二度もいいました。
不自由な貴方は自由を欲しながら己の欲に従ったのです。それはあまりにも美しかった。
抗いようのないものに貴方は抗おうとしていた時点で既に美しかったです。ですが貴方は抗いたい、抗わねばと思いつつその思いに従ったのです。
あのときの貴方のどうしょうもない顔はまさに宝石です。
それを見た僕はあなたを愛したいと思いました。そして、そんな貴方に愛されたい。不器用に、不細工に愛されたいと思ったのです。
コーリャ 僕も貴方を愛してます。
例え制約だらけ、責任まみれて薄汚れて、汚いものでも。その時僕には美しく見えたのです。僕を目一杯愛してください。