mmntmr side -
hnちゃんが無事に帰ったのを確認した後、私はとある場所へ出かけていた。
セーフハウスから相当離れている場所で、なんなら“人間界”に近い。
そんな人気の少ない道を止まることなく、ひたすらに歩き続ける。
道・・・と言っても、整備されている道とは違い、完全に凸凹な道。
そんなところを一人静かに歩いていた。
「そろそろ…ここら辺で良いですかね──」
私は、特になにもない…ただの道のど真ん中で立ち止まる。
辺りを見渡して、何もない事を確認してからその場にしゃがみ込む。
座り込んで、かなりの距離を歩いてきた分、一息つく。
いえ、そんな暇もないんでしたね…。
…私は気を取り直してポケットからとあるものを取り出して、それを道のド真ん中へ落としておく。
敢えて、不自然なように。
「OK、これでよしっと」
私はやることを成し遂げ、立ち上がる。
再び周りを見渡してから、もと来た道を歩き始めた。
その日から数日。
私はふと、聞き覚えのある音に椅子から立ち上がる。
「ようやくか…」
私はポツリと呟いて、玄関へ歩き始める。
幸い今日は、rimrが別件で家を出ている。
この作戦には、一人で静かに続行しようと考えていたのでちょうどいい。
今家にいるのは私のみ───つまり、仕掛けるチャンスということだろう。
私はドアをガチャリと開けて、外へ走り出した。
一定の場所まで来ると、私はふと足を止める。
「 “ Teleport ” 」
そして、そのまま短い言葉を呟いて目を瞑る。
すると目の前が一度明るい光りに包まれる。
次に目を開けると、数日前に来た人気の少ない凸凹道だった。
しかも、そのとき立ち止まった場所。
下を見てみると、地面にはあのとき、不自然に置いた小さな機械のようなもの、だった。
あのとき立ち止まって設置したものは、この“Teleport”───テレポートという瞬間移動技を作動するための、
移動ポイントだった。
敢えてそれを不自然に置いたかはまた別の機会で説明するとして…。
そのまま、私は立ち上がって、更に道の奥へと進んでいく。
特にここに絶対に行く!という目的地は定めず、ただただ奥に歩いていく。
奥に歩くに連れ、段々と薄暗くなっていく。
これくらいの雰囲気が丁度いい。
下を向いて歩いていたところから、ふと立ち止まり視線も前に向ける。
頃合いもぴったしですかね。
私はすぅと一つ息を吸って、言った。
「そろそろ出てきてはいかがです?───私の尾行者(ストーカー)さん?」
そう言うと、後ろから気配を現して、近づいてくるのが分かる。
?「ははっ、気付いていたんですね。流石、というべきでしょうか
───人外リーダー、“mmntmr”さん?笑」
最後の人は誰でしょう!
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