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※つ、伝われ……っ
遥が「日下部を汚した」と思っている理由
1.日下部の“まっすぐな感情”
遥は日下部の眼差しを、「まっすぐで汚れていないもの」と感じている。
自分にはもうない、“まっとうさ”“優しさ”がそこにはある。
だからこそ、
「そんな日下部が“自分に優しくする”という行為そのもの」が、
遥にとっては──
「汚れてしまった」「歪めてしまった」と思えてしまう。
「俺なんかに優しくするなんて、あいつもどこか狂ってるんじゃないか」
「きっと、その優しさすら、俺が壊したんだ」
遥にとって、自分に近づく人は壊れていくと感じられてしまう。
2. “日下部が抱いていた理想”
遥は、日下部が自分に何かしらの希望や可能性を見ていたことも感じている。
だからこそ、そんな「理想」を、自分の本性を晒すことで壊してしまったと感じる。
「“壊れてない”俺を、見てたんだろ」
「でも俺は、ただの加害者で、汚れてて、……触れたものを全部壊してきた」
つまり、日下部が「信じようとしたもの」「信じてくれた自分」を、
遥自身が、踏みにじったと思っている。
3.「抱かれたいと思った=汚した」
遥にとって、「欲望」や「触れたいという感情」そのものが加害と同義。
「あいつを“欲しい”と思った瞬間に、俺は加害者になった」
「触れたいと思った=壊すこと」
「あんな優しい奴を、“汚れた俺の夢”に引きずり込んだ」
それが夢であっても妄想であっても、遥にとっては事実と変わらず罪。
遥の“罪悪感の核”。
「日下部が自分を欲しがったとしたら、それは自分のせい」
「あいつのきれいな部分を、俺が汚した」
という、一方的で、ねじれた自己非難。
この「汚した」「壊した」という感覚は、
実際の出来事の有無とは関係なく──
遥の過去(家庭・学校)で植え付けられた“自己=加害者”という認知から来ている。
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