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「ねぇ〜早くホテル行こ〜?」
「あぁ、そうだね」
夜の街、、傍から見てもお似合いで、仲良さげに腕を組む美男美女。
会話からして”特別な関係”である事に間違えない。
そして、その美男美女の”美男”の方には見覚えがあった。
「ドサッ」
その様子を見て、持っていたバックを落としてしまった。
「み、、、瑞季、、?」
僕が呟いたその一言は、誰にも聞かれることなく、夜にしてはうるさい、都会の街に、人々の話し声の中に、消えていった。
『物凄く驚いた』と言うと嘘になる。
元から可笑しいとは思っていた。
だって、学校の王子と言われていた瑞季と、何もが平均で平凡な僕とは、誰がどう見ても不釣り合いだった。
でもあの時、瑞季から告白された時は、舞い上がりすぎて全くそんなことは気にしなかった。と言うか、気づかなかった。
〈 恋は盲目〉と言う言葉は本当らしい。
浮気をされてやっと気づくことが出来た。やはり、彼と僕は不釣り合いすぎるみたいだ。
でも、こっちは浮気された側で、向こうが浮気した側。
そう、つまりこっちは被害者だ。
このまま簡単に終わるなんて、僕の癪に障る。
別れる前に少し仕返しをしてやろう。
こっちも浮気をして、僕の幸せな姿を見せるんだ。
まず浮気の証拠を集める。そして、集めながら僕の浮気相手探しをする。
同時進行だ。
とりあえず、家に帰ってから考えをまとめよう。
気づけば、瑞季と女性は夜の街に消えてしまっていた。
よし、まとまった。作戦はこうだ。
浮気の証拠を集める⇒
僕の事情を分かってくれる相手を探す⇒
瑞季を問い詰める⇒
瑞季と別れる⇒
瑞季を呼び出す⇒
僕と相手のラブラブシーンを見せる⇒
後悔させる⇒
僕は浮気相手と幸せになる!
こんな感じだ。我ながら頭がいいな。
まとまった事だし、早速実行しよう!
まず手始めに、瑞季が帰ってきたら『どこに行っていたのか』『誰といたのか』『何をしていたか』を聞く。
もしも『夜の街』『ホテル』『女』『デート』以外の事。すなわち嘘を付いていたら、黒確定と、言うことだ。
とりあえず、瑞季の帰りを待ってみよう。
〜続く〜
おまけ
僕は、瑞季の帰りをしばらく待っていて気づいてしまった。
「あれ?ホテル行ったなら、帰り、明日じゃね?」と、言うことをな、、、