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凪
5,297
51
最近コメ返して無さすぎましたよね💦
できる時頑張ってしたいと思います♪
後、普通に不定期投稿すぎてやばい😵💦
すたーと!
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鉄朗さんが出て行った後の部屋は、深海のように静まり返っていた。
月島は、自分が書いたノートの文字を、何度も指でなぞる。
『鉄朗さんに別れを告げる。貴方を解放する。大好きだから。』
「だい、すき…..」
その言葉の意味はわかる。
けれど、その対象である「鉄朗さん」という人物の顔が、霧の向こう側へ遠ざかっていく。
月島は震える手で、ノートのさらに前のページをめくった。
そこには、二人が笑い合っている写真が挟まれていた。
トサカのような髪型の男。それを見て、月島の胸に「熱い痛み」が走る。
理由もわからず、ただ涙が溢れて止まらなかった。
数時間が経過したのか、あるいは数日か。時間の感覚さえ曖昧になった頃。
玄関のチャイムが鳴った。
月島は、恐る恐るドアを開けた。
そこに立っていたのは、数時間前に別れたはず
の、あの「黒尾鉄朗」だった。
手には、大きなスーパーの袋と、なぜか見覚えのあるバレーボールを抱えている。
笑みを浮かべて見せた。
「よお、蛍。俺、お前の新しい近所の住人。…..っていうのは嘘で、お前のことが諦めきれなくて戻ってきちゃったストーカー。迷
惑?」
「…..え、あ…..さっき、別れたはずじゃ」
「別れたねえ。でも、俺の記憶力、お前ほど良くないからさ。玄関出た瞬間に、別れたこと忘れちゃったわ」
鉄朗さんは強引に部屋に上がり込むと、キッチンへ向かった。
「お前、他に好きな奴ができたって言ったけど、そいつ誰だよ。名前は?顔は?…..まあ、いいや。そいつが来るまで、俺が飯作ってやるから」
「そんなの、困ります…..!鉄朗さん、あなたは、自分の人生を…..!」
月島が必死に言葉を絞り出そうとしたとき、鉄朗さんが振り返り、月島の両肩を強く掴んだ。
その瞳は、笑っていなかった。
「蛍。お前、ノートに書いたる。『貴方を解放する」って。…..バカ言え。俺にとっての自由は、お前の隣にいることなんだよ。お前が俺を忘れても、俺がお前を覚えてる。お前が俺を他人だと思っても、俺は何度でもお前に初対面の挨拶をする」
「…..っでも、僕は壊れていくんです。貴方ことも、自分のことも……最期には、何もかも!」
「いいよ。全部忘れて、お前が真っ白な紙になっても。その紙に、毎日俺が名前を書いてやる。…..『蛍は、俺の宝物』ってな」
鉄朗さんはそう言って、月島の額を自分の額にこつん、とぶつけた。
鼻先が触れ合うほどの距離。月島はその瞳の中に、自分でも忘れてしまった「昔の自分」が映っているのを見た。
「 ……てつろう、さん……」
無意識に漏れたその呼び名に、鉄朗さんは一瞬だけ、泣きそうな顔をして笑った。
「おう。正解。よくできました、’ ノブカツくん ‘ 」
その夜、月島は久しぶりにノートを開いた。
新しいページに、震える手でこう記した。
【11月19日】
数日前、僕は貴方に嘘をついた。
貴方を追い出した。
でも、貴方は帰ってきた。
「ストーカーだ」と言って笑いながら、美味しいスープを作ってくれた。
黒尾鉄朗。
この名前を忘れたら、またこのページを読もう。
貴方は、僕がどんなに拒絶しても、僕を「僕」のままにしてくれる人だ。
明日もまた、貴方の名前を呼びたい。
たとえ、それが「初めまして」の言葉だったとしても。
月島が眠りについた後、鉄朗さんはこっそりとそのノートを手に取った。
月島が隠していた「本音」を、一文字ずつ噛み締めるように読み進める。
月島の恐怖、絶望、そして自分への、あまりにも深すぎる愛情。
鉄朗さんは、ノートの余白に、月島には内緒で小さな文字を書き加えた。
『何度忘れてもいいよ。俺が何度でも、お前を見つけ出すから。』
外は、冷たい夜風が吹いていた。
けれど、部屋の中には、二人の混じり合う体温と、明日へと続く静かな寝息が満ちていた。
スノードームの中の時間は、まだ止まらない。
雪が降り積もるなら、その分だけ、二人の足跡
を深く刻んでいくだけだ_____
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NEXT→♡や💬沢山欲しいです♪
モチベめっちゃ上がらないのでお願いします🙏🏻😖💕
コメント
3件
はぁぁああ!!✨ 今読み終わりました!最高です!感動で涙が、、😭 素敵な作品をありがとうございます!
おもち🐇🌙さん、お疲れさまです!第6話「宝物」、めちゃくちゃ沁みました…。冒頭の「コメ返せてなくてごめん」にも思わず「わかるよ…!」ってなりましたが(笑)、本編がもう、鉄朗さんの「忘れても覚えてる」「何度でも名前を書く」って言葉に全部持ってかれました。タイトル通り、「宝物」って表現がぴったりな回。記憶が消えてもその人の隣を選び続けるって、すごく深い愛だなって。ノートの余白に書き足すあの一行も、泣けます。読み終わったあと、じんわり心が温かくなる、素敵なエピソードでした✨ 続きも気長に待ってますね!