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そのルーズリーフにサラサラと書き出した。
ぼくは勢いでルーズリーフを覗くと、綺麗な字で「田中さん」と書いてあった。
「じゃあ、三部木さんたちが犯人か……」
亜由美は首を振り、めんどくさそうに、またペンを持ち出し、「もう一人の田中さんよ」と書いた……。
濁って。どす黒い夢を見ていたぼくと、起き出した父さんと母さんは、おじいちゃんと幸助おじさんの説得で、この街を早めに出ることにした。
父さんと母さんは記憶が曖昧だったようで、全ては知らないけど、ある程度は知っているようだ。この街のことを。
「もう、怖いったらありゃしない。歩も酷い怪我! こんな街出てってやる!! もうたくさんよー!!」
母さんがヒステリックに叫び出し、父さんは黙って頷いては、肩をいきり立たせながらドスドスと廊下を歩き回っていた。
しばらくして、父さんと母さんは、早速準備に取り掛かった。
隣町にもともと、引っ越すはずのぼくたちは、夜が明けたらすぐに出発となり、簡単な荷造りをしただけでよかった。幸助おじさんは今でも玄関先に立っていた。
誰も幸助おじさんには、何も言わない。
だって、何も言えないともいえるんだ。そんなオーラが発せられていて、ぼくは幸助おじさんが頼もしくもあり、そしてすごく怖かった。
一時間で大体の荷造りを終えると、父さんがすぐに電話をして、レンタカー会社から運転手つきで大型トラックを二台寄越したみたいだ。電話越しの会話を聞いたから間違いない。
待つこと数十分。
幸助おじさんが、まず先に玄関から駆けだして、トラックの運転手たちを順に調べるように見ながら、それが終わると、ぼくたちに合図した。
家財は全てではなくて、後で引っ越し屋さんに頼むのだそうだ。
そういえば、裏の畑にはまだ野菜が植えてある。
どこか懐かしい感じがするけど、これで、裏の畑ともお別れになった。