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赤黒編 第一話 キミとの出逢い
眩しい光が視界に差し込み、足がすくんでしまった。
今日は今まで顔を合わせずに画面越しに話していた人達に初めて会う日だ。俺らZ世代と呼ばれる若者が集まり、ある1人の男の考えを元にネットインフルエンサーとして活動を始めた。所謂歌い手活動というものだ。
その歌唱力を買われた俺も1人の男に呼ばれた人間だ。
集められた5人の男、そしてリーダーである俺らを集めた人間。
年齢も違えば活動期間だって全く違うし、趣味や特技だってバラバラだった。一見共通点なんてなかったが一つだけ大きな一致点があった。何も知らない者からするとそれぽっちかと思われてしまうが俺らにとっては大きな事だった。
歌いたい。
そんな気持ちに正直になりリーダーの意見を飲み俺は、DiceNO.1 りうらとして活動を始める事にした。
歌い手グループとして活動する為にはお互いを知る事が必要な為、まず交友を深めるという事にした。俺はリーダーのないこに招かれ、ないこ宅に向かった。
最寄りのバス停から降り、黙々と歩いていくと、もう家に着いてしまった。LINEをもう一度確認し家の場所が間違えていないかを確認した。予定より15分ほど早く来てしまい、入っていいのかと玄関前でウロウロしていると声を掛けられた。
「なぁ、もしかしてりうら??」
「!!うん、えと、そっちはアニキ??」
「そうやで!!いや〜良かったわ〜。これで、違います言われたら困惑してまうわ(笑)」
どうやらアニキも同じく早く家に着いてしまったようだ。顔は俺が脳内で想像していたようにまつ毛が綺麗に生え揃えてあり、タレ目気味だった。発言も一つ一つがハッキリとしており、聞いているこちら側もスッキリするものだった。アニキを表す言葉としては体育会系というのが1番近かった。
ないこ宅のピンポンを押し、家の中に招かれるとリビングは綺麗だった。成人男性の家の中がこんなに綺麗なわけないと思い、ないくんに問うとリビングだけ必死になり綺麗にしたらしい。う〜ん、ズボラ男バンザイ。
「お邪魔しマース。」
「いらっしゃい!!」
リビングで出されたドリンクを飲みながら俺らはトランプをし、他のメンバーを待っていた。するとまた1人来たらしい。礼儀を重んじ、丁寧な言葉を発しながら家に入ってきたのは社会人のIfだった。それに1番に反応を示したのはないくんだった。ニッコニコで廊下をドタドタと走りいふまろの所に行く。彼も社会人だったはずなのに随分幼く感じれた。
俺とアニキは次々と来るメンバーを無視しながら、男と男の真剣ババ抜きをしていた。今の戦況は俺の持ち札が2枚でアニキが1枚持っていた。そして次はアニキのターン、ここでババを引かれれば勝負は終わらない、そしてアニキがもう一方を引けばアニキが勝ってしまう。俺達はただのババ抜きではつまらないということで勝った方の言うことを一つだけなんでも聞くという条件で勝負していた。お互いが負けたくないという思いが強く、トランプを握る手は汗をかいていた。
アニキが俯きながら右側に合ったカードを引いた瞬間俺は絶望した。そう、アニキが引いたカードはアニキを勝ちに導く1枚だったのだ。
「フフっ、俺の勝ち〜。何してもらおっかな〜(笑)」
「うぐっ、俺あんま金ないんだから手加減してよ??」
「ん〜どうしよっかな〜(笑)ま、簡単なものにするから帰る時言うわ。」
「え、何それめっちゃ怖いんだけど!?」
「金はかからんけど秘密が暴露されてまうかもな〜?」
煽るように発言をする彼の表情はニヤニヤしており、この後何をされるのか不安になってしまった。アニキに何をされるのか詳しく聞こうとしたらこれまたニッコニコ笑顔のいふまろがアニキに抱きついて、話せる状況ではなくなってしまった。さながらファンとオタクみたいな関係で俺は2人のことを見守っていた。
交友を深める事を目的とした集合だったので、全体的にゆるゆるとした雰囲気の中、UNOをしたり、ナンジャモンジャをしたり、ババ抜き、七並べ、神経衰弱等をした。え、待って俺らカードゲーム好きすぎじゃね??
ある程度メンバー間の三次元の関係を深めたあと、もう外は日が傾いていることがわかった。そんなに遅くなっても困ってしまうという事で今日は6時でお開きという事になった。俺らは荷物をまとめ、帰る事にした。
いれいすとして活動していく上で適当に組まされたぴよにき。もちろん、俺はアニキと一緒に組めて嬉しかったし幸せだった。アニキの発言は元気で能天気な発言のようにも聞こえるが、言葉の節々に知性を感じられ、凄いと思っていた。常に誰かの為に動いており、いつも人の心配をしていたアニキ。俺は完璧に近いと感じられるアニキと一緒にペアを組み、安心して俺の背中をアニキに任せられた。
「じゃあ、ばいばーい!」
「ん、ないこ、今日はありがとうな!」
「じゃね〜」
俺はアニキに一緒に帰ろうと言われたので、バス停まで一緒に歩く事にした。
「りうら、トランプで俺が勝ったの覚えとる??」
「うっ、やっぱ、覚えてたんだ、、、んで?何をお願いしてくんの??聞きそびれたけど秘密が暴露されるって言ってた気がするけど、、、」
「あ〜、そんな事も言ってた気がするな。んじゃ、発表と行きますかね。」
「高い物だとりうらちょっとお財布が死ぬかもしれない(笑)」
「じゃあ、お盛んなお年頃のりうらくんの家に行こうかな(笑)確か1人暮らしだもんな?な〜にがあるかな〜?」
「んえっ!?それガチで言ってる??え、嘘、ちょ、やば、、」
「りうら、焦り過ぎやろ(笑)大丈夫大丈夫。ただ酒盛りするだけやから安心してな??」
「あんま、部屋の散策はしないでよね、、ってか、りうら酒飲めないよ???」
「あぁ、それも大丈夫。俺が勝手に酒呑むだけ。」
「まぁ、それでいいなら俺の家来ていいけど、、、なんでそんなに俺の家来たいの?」
「りうらとはもっと話がしたいからな!!」
「そっか」
目を細め笑顔を作るアニキは夕日が後ろから指し、芸術的だった。今思えばアニキのこの何も隠さない笑顔を見た時から俺の感覚はバグってしまったのだろうか。アニキと俺はバスに乗りこみ俺の家に向かった。
もう、すっかりあたりは真っ暗になってしまっていた。冷え切った夜の空気は、火照った体を鋭く刺した。俺はマンションのエレベーターで自分の部屋まで上がり、玄関のオートロックを開けて中に入った。俺は決して豪華では無いリビングにアニキを招いた。
アニキは帰る途中でコンビニで買った缶チューハイやらを冷蔵庫に入れ、台所に立った。何をするのかと聞いてみれば簡単に晩御飯を作ってくれるようだ。
「りうらんち、結構ええ食材あるやんか。色々使っていい感じ??」
「りうらはもう、晩御飯作って貰えるなら文句は言わないよ。好きに使いな。」
「ありがとな〜」
返事をする彼は既にセロリやらほうれん草が握られており、それを手際よく切っていた。自分はあまり野菜が好きでは無いがここは作ってもらう身として食べる事に腹を括るしかないようだ。
あれからどれくらいたっただろうか。適当にスマホを使いエゴサをしていると後ろから声がした。
「りうら〜?運ぶの手伝ってくれるか〜??」
「う〜い」
スマホを机に置き、アニキの作るご飯を運ぶ為に立ち上がった。俺はチーズを包んで焼いた焼き餃子やら、キャベツの梅肉和え、ピーマンの肉詰めがのった皿を運んで行った。見ただけでも美味しいとわかる程にはアニキは料理が上手のようだ。
俺はコーラ、アニキは缶チューハイを呑み、美味しそうな料理がのった皿をつついた。
アニキがお酒を飲み始めてどれぐらい立ったのだろうか。アニキの顔は少し赤らんでおり、如何にも酔っている人間だった。お酒を呑まずコーラを飲んでいた俺だが、酔っているアニキを見ていると何故か頭がフワフワしてきた。
顔を赤らめ、ソファに座っていた俺を上目遣い気味に見てくるアニキの視線に俺は何かが壊れる音がした気がする。黒ニットで萌え袖をしながら両手でお酒を呑むアニキ、俺は完全に油断しきっている妖艶なアニキの唇を奪った。
そこからの記憶は曖昧だった。最初は俺の急なキスに戸惑っていたアニキも最後の方には俺の頭に手を回して、拒まなかった。俺は、アニキも同じ気持ちなのだと錯覚をし、調子に乗り服を脱がして行った。すると、アニキから静止がかかった。流石に都合が良過ぎたのだろうか、心配しながら彼の発言を聞いた。
「なぁ、りうら♡床やと腰痛めてまうで?移動しよ?」
そうやって、語尾にハートをつけたように言う彼は俺に勃起した秘部を擦り付けながらキスをしてくれた。俺はアニキを俺がいつも使っている薄っぺらい布団に寝かせ、行為を始めた。
俺もアニキも男を相手するのは初めてのようで、最初はアニキのアナから血が出たりして俺はあたふたしていた。しかし、そんな初心な俺をアニキは呆れず、慰めてくれた。アニキは積極的とは言い難いが、決して行為を嫌がっている様子はなかった。俺は欲望を全面的に出し、求めるがままに腰を振った。
「りうッらッ♡好き、好”きッ”♡♡♡もっ、イッち”ゃうッ♡♡イクッイクッ……/////」
「アニキ、俺も好きだよ♡もっと気持ちよくッなろうね、、ッ♡」
俺の手の中で熱い精液を出し、欲をダバダバと零すアニキはまさに愛らしかった。精液を拭いたティッシュがもう、部屋のゴミ箱に満タンに入っていた。お酒を呑んでいたアニキと深いキスを行為中に沢山したからだろうか、俺の身体は言い表せないような熱を孕んでおり、身体はそれを性欲として変換し、目の前の愛くるしい男にぶつけていた。
行為が終わったあとも余韻という事でアニキは沢山ハグやらキスやらを求めてきた。もちろん、俺は嫌では無かったので要望には答えた。さながらハグをしてと腕を広げながら首をコテンとする姿は幼女と違いが無かった。
赤黒編 第一話 キミとの出逢い ~完~
4114文字お疲れ様です。
次回投稿日未定
コメント
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最高だーーー!赤君…何て奴だぁ~~~!あ、ちな、自分七並べと神経衰弱なら誰にも負けないぜ☆なんじゃもんじゃしたことないんよなぁ~したいわ…次回が待ち遠しいー!他メンver?
うほほ(((((きっしょ クソニートバンザーイ✧ \( °∀° )/ ✧ カードゲームは永遠に時間潰せる...! とちゅうから、とちゅうからね、いや、好きなんだけど...その様子を生で見たかったな...と、 ちなみに、黒くんの手料理が食べれる世界線どこ?○んだら行ける?