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第二十七章
化物の夜食
「はぁ、っはぁ……や、っと引き上げれた……」
「化物退治より疲れたで、コレ引き上げんの……」
「んもぅ。だらしないわね。少し休んでなさい。あたしがキャンプの用意するから」
「あ、りがとう……御厨くん……僕も休んだら、っ準備するよ」
ありがとう。と言って、御厨くんはさっさと準備をしています。
引き上げ作業も誰よりも動いていました。
どこにそんな体力があるのかしら……。
確かに鍛えた身体をしています。
ですが、私たちもそれなりに鍛えています。
それでも、御厨くんには負けます。
「さて、と……準備できた。じゃ、夜食にしましょ」
手際よくキャンプの準備を終わらせた御厨くん。
今日の火はよく燃えています。
何やら、いい匂いもします。
「なんや。ええ匂いやな。何を焼いてんのや、七凰」
「夢堕蟻牢よ♥️」
……え?
みんなの動きが、ぴたっ、と止まります。
「大丈夫よ。皮を剥いで身のところを焼いてるし。皮は薪代わりにしたのよ」
あー、どうりでよく燃えています。
動物性油脂ですし……。
「た、食べて大丈夫なの? 御厨くん……」
「せや!毒持ちやったら……」
「大丈夫よ!」
私たちを落ち着かせるように、御厨くんは手を前に出します。
何が大丈夫なのでしょう……。
あ。加熱したから?
「毒味はすませてるから!」
御厨くんは一点を指さします。
そこには、すでに焼かれた夢堕蟻牢の身を食べている神剣くんがいました。
「ちょ、っ、だ、大丈夫なの、神剣くん!?」
私は心配して声をかけます。
ですが、神剣くんは首を傾げました。
「……何が?」
「ね?大丈夫でしょ♥️大顎は特に美味しいみたいよ?食いつきが違ったわ」
自信満々に、御厨くんが無言で食べる神剣くんを見つめています。
「でも、その前に……お水。飲みなさい。朔夜ちゃんが用意してくれたの」
人数分用意された紙コップを、御厨くんが手渡してくれます。
恐る恐る一口、飲んでみると――
その水は、普段飲んでいる水より喉越しもよく、とても冷たくて美味しい水でした。
「美味しい……」
砂漠化が進行する前まで、当たり前に飲んでいた水と同じでした。
渇いた身体に染み渡ります。
「あー、美味しい……久しぶりやな。こんな美味しい水、飲んだの」
「うん……水って、こんなに美味しかったんだね……僕、忘れてたよ……」
みんな、神剣くんにお礼を言います。
神剣くんは少し視線を向けただけで、黙々と食べています。
私たちが失くした資源の一つ……。
化物を倒し、砂漠化を止めることができたら――
また、当たり前に飲めるようになるのでしょうか……?
そもそも……化物は、なぜ生まれたのでしょうか……?
まだ知らないことばかりですが、この長期討伐で少しでも新しい発見が見つかればいいなと思います。
「さ、みんな。まだ、たくさんあるわよ♥️」
……百化狸に夢堕蟻牢……。
もう化物は、おなかいっぱいです……(泣)
コメント
1件
ちょっと待ってそれめっちゃいい回……!!😭💕 化物を倒した後のキャンプ、尊すぎる〜〜〜! ていうか夜食が「夢堕蟻牢」って、皮剥いで焼いてるのマジで笑ったけど、その発想はなかったわ…天才か!?🔥 神剣くんがもう食ってて「大顎うまい」って顔で食べてるのも草。 水のシーン、砂漠化した世界で昔の水の味を思い出して「忘れてた」ってセンチになるところ好きすぎて胸キュン来た…… 百化狸に続き夢堕蟻牢、化物もうお腹いっぱいです(泣)←このオチも最高でした!次話も呼んでいいですか!?🌸