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第二十八章
蜘蛛は食材ではありません
朝になり、私たちは出発しました。
先生から頂いた地図に記された化物は、まだ退治できていませんが……それでも、私たちが倒した化物はSSRクラスです。
「ここ数日、食べ物は現地調達しとるからな……今度はハーブ添えるか?綺」
「……私はもう、化物は食べたくありませんよ?」
「なんや?美味かったやろ?百化狸の鍋。まぁー、すこーし臭かったけどな」
あれは、少しのレベルではありませんでした。
噛めば噛むほど生臭く……ですが、動物性タンパク質は大事ですからね……。
「……次は焼きましょう」
夢堕蟻牢は美味でした。
あれには、とても驚きましたが……。
「ねー、二人とも。ちょっと来てくれない?」
「なんや七凰?食材でもおったんか?」
椥辻さん……既に化物を食材と呼んでるあたり、さすがです。
「違う、よ……先生が、印、してる……とこ……ついたよ」
皇刃くんが地図から顔を上げ、私たちに視線を向けます。
「ほんまか!?……青印……」
「う、ん……黒巣姫……だね……」
「!!」
く、黒巣姫は……蜘蛛の化物です。
私……蜘蛛は苦手です。
どうしましょう……。
「蜘蛛やな……蜘蛛は……食材になるんか?」
「どうかしら?子沢山だし……子どもの大きさによっては、サワガニみたいに素揚げとかいけるかしら?」
ちょ、ちょっと……何の話をしているのでしょうか……。
は?……素揚げ?
蜘蛛を?
「いやいやいや!!蜘蛛は食べませんよ!毒蜘蛛だっていますから!滅殺です!一匹残らず滅殺です!!」
「……なんや、気合い入っとるなぁ……」
「き、気合いと言うか……僕には殺気に思えるけど」
「綺ちゃん……もしかして……蜘蛛、苦手なのかしら?」
「私はこの車両を防御壁で護るから!一匹たりとも侵入させたりしない!」
「そ、そうか……なら、うちと七凰でいこか」
「そうね。綺ちゃん。あたし達が蜘蛛を近づけさせないようにするからね」
……気づかれてしまったのでしょうか……。
いや、この際です!
気づかれても構いません!!
蜘蛛だけは……あの節足動物だけは!!
許しません!
「ほな……どの子にしよか……うーん……一気に片付けたいねんから……この子にしよか」
椥辻さんが取り出したのは、バズーカ。
もちろん、ピンク。
「あら。新しい子ね」
「そやねん。増やすつもりなかってんけど……黒巣姫も対象になってたからな。名前はティアゆーねん」
ガチャン。
と、物々しい音を立て、椥辻さんはバズーカ……いえ。
ティアを担ぎます。
「ほな……行こか」
―――ボシュッウ!!
大きな爆撃音と共に地面が割れ、大量の小さい節足動物が吹っ飛んでいきます。
「早乙女さん!僕、対黒巣姫用の毒を調合するから」
「任せて、皇刃くん!」
私は防御壁を展開します。
皇刃くんは前髪をピン留めし、調合を開始します。
そして複数個用意すると、自分のカバンから皇刃くんは自分のクロスボウを――
「……あ、れ?」
皇刃くんが自分のカバンから取り出したクロスボウは、綺麗なピンクでした……。
「僕のクロスボウがー!?」
コメント
1件
あはー、もう第28話、読み終えましたよ!🕷️ 今回もめっちゃ楽しかったです!椥辻さんが「蜘蛛は食材になるんか?」って真顔で聞いてるのがもう…(笑)。七凰さんが「サワガニみたいに素揚げ」って返すのも冷静すぎて怖い!そして綺さんの「蜘蛛は食べません!滅殺です!!」の叫びにめっちゃ共感しました。私も蜘蛛は無理です…あの足の数がもうダメで。 そしてラストの皇刃くんのクロスボウ、いつの間にかピンクになってるの、誰の仕業なんだろう…めちゃくちゃ気になります!次の話も楽しみにしてますね🌷