表と裏 / 冨岡義勇・胡蝶しのぶ
俺は鬼殺隊 階級:壬 伴野茂(ばんの しげる)である。
俺は今何をしているかと言うと、今注目の的である柱の御二方と合同任務に就いている。その2人とは言うまでもなく、水柱 冨岡義勇様と、蟲柱 胡蝶しのぶ様である。そう!この2人と言えば、 とある隠たちに痴話喧嘩を聞かれていたことを機に交際してしているという噂が広がり、その噂は静まることを知らず、最終的には公式に交際していることを認めた。
そう正に、鬼殺隊の歴史の中でトップに君臨する話題!それ程までの特大ニュースである!
更に、秘密裏に隠たちの” ぎゆしの会議 “が開かれていたという噂を聞いたとこもある。これは聞いた限りだとぎゆしのをくっつける為に作られたものらしい。よくやった!!最高だ!!隠たちに、名誉賞を与えたい!
まぁそれは一旦置いといて、今俺の前を走る御二方は今宵も変わらず美男美女であって、自然と俺の走るペースにも合わせてくれる最高の方々であった。
おっと、鬼の気配がしたのか柱たちは急に走るのをやめ、息を殺し、己の刀の柄に手をかける。俺はまだまだ未熟で強く鬼の気配を感じ取ることは出来ないが、大体の位置と数は把握出来た。
まだ遠くだと思っていた。だが俺の読みは外れたんだ。俺の真後ろから鬼が現れた。咄嗟に刀を抜き戦闘態勢に入ろうとしたものの、反応が遅かったため間に合いそうにない。
あぁ俺死ぬんだ。母ちゃん、父ちゃん、兄ちゃん。直ぐそっちにいくよ。
俺は死を覚悟し目をつぶった。
だがおかしい、一向に痛みが来ない。即死したか?あれ、足も手も動く。感覚もある。俺生きてるぞ!!そっと目を開けた俺の目の前には水柱様の姿があった。
あぁ、、、
「水柱様、助けて頂き有難うございます!!」
「責務を全うしただけだ。」
流石は水柱様!あっぱれだ!
「あぁー!義勇さん!また独り占めですか!」
普段おおらかな蟲柱様が突然声を上げた。あ、んえ??ぎ、義勇さんだとぉぉぉぉ!!羨ましい!俺も下の名前で呼ばれたい!
「胡蝶、部下もいる前で下の名前で呼ぶなとあれ程言ったであろう。 」
「良いではありませんか!いつもよんでいるのだから。なんなら接吻だってして差し上げますよ?」
「ダメだ」
「つれないですねぇ。」
なんだなんだ!これが噂のぎゆしの痴話喧嘩か!!実にいい!
でも水柱様はやはりクールなのだな。あんなにも可愛らしい恋人を目の前にして接吻どころか、下の名前呼びすら許されないのか。意外だ。どちらかと言うと蟲柱様の方が甘えるほうなのか!あぁ甘える蟲柱様も良いな〜。ん”ん”っん゛。これは失礼。つい本音が漏れてしまいましたね。
まぁ色々あったものの任務は無事終わりそれぞれが帰路に着いた。
「それでは伴野さん、私達は此方なので。任務お疲れ様でした。」
お疲れ様でし、、、?
私達は此方??2人で??でも蝶屋敷は確か俺の方面だよな。つまり水柱邸に行くということか?しかも夜だぞ。泊まり確定じゃないかーー!うんうん。そりゃそうだよな。イチャイチャしたいよな。絶対今日の任務俺要らなかったよな。邪魔して悪かったな。俺はここらで失礼するよ。
しかし俺はある程度歩いた所で、今世紀最大のやらかしに気がついた。そう、蟲柱様の大事な大事な羽織を預かったまま返すのを忘れていたのだ。
確かあれは数時間前、俺たちはこの俺を殺そうとした鬼に出くわした後、今日の任務について反省などをしていたんだ。そしたら急に鬼の気配がして、水柱様が行こうとしたんだがな、蟲柱様はどうやら新作の毒を試したいらしく 行かせてくれと頼んでいた。その日の任務の前日は雷雨であったため、地はぬかるんでいた。蟲柱様は自身の羽織を汚したくないといい、俺に羽織を預け万が一の為に水柱様を連れてその鬼を目にも止まらぬ速さで追いかけて行ったんだ。どうやら毒は効いたらしくご満足気であったが、そのまま羽織を返し忘れ今この次第だ。
さぁどうする俺。
いやでもこの羽織は前花柱の胡蝶カナエ様の形見だと聞いたことがある。これは返さないとマズイ。という訳で俺は、水柱邸に向かった。
ふぅ、やっと着いた。ん?何やら会話が聞こえるぞ。
俺は五感を全集中させ、その声に耳を傾けた。
ーしのぶ、先程はすまなかった。
ーもう!やっと名前で呼んでくれましたね。
ー幾らでも呼んでやる。しのぶ
ーあらあら、やはり義勇さんは大の甘えん坊さんですね。ふふっ
ー甘えん坊はしのぶの方だろ?
ーそれは心外ですねー。先程一緒にお風呂に誘ってきたのは何方ですか?
ーしのぶも同意したでは無いか。
待て待て待て待てぇぇ!!!一緒に?風呂!?なんという事だ。やはり俺はあの時鬼に食われて死んだのか?ここは天国か?はぁ、蟲柱様は隊服をお脱ぎになられても嘸かし綺麗なんだろうな。水柱様は彫刻のような筋肉美。みたい!俺見たいぞ!よし、羽織を口実に入ってしまおう!
そう決心した時、またまた声が聞こえてきた。
ーん、、、、あぁ、、や、ダメぎ、ゆさん。
??え。これって蟲柱様の声だよな?しかもこの甘い声。これ入っちゃダメなやつだ。絶賛夜のパーティー中だ。
ーしのぶ、、、今日も愛くるしいな
ーぎゆさ、ん、、、
俺は憧れの上官2人の裏の顔を知ってしまった。表ではクールな水柱様の裏は甘えん坊でかなり?積極的だ。常に凛としている蟲柱様は裏では甘く、そして乱れる!
俺は羽織を丁寧に畳んで玄関の前に置いてその場を去った。
後日、蟲柱様からお礼の手紙とお菓子が送られてきた。あぁまるで聖母だ。俺はそう思った。だが、俺がお菓子を手に取り食べようとした瞬間、水柱様の鎹鴉が飛んできて文を渡された。
『 胡蝶から送られてきた食べ物は当分食べないことをすすめる。 冨岡 』
だがもう遅い。俺は蟲柱様からのお菓子を文を読みながら頬張っていた。
次に目覚めた時、あの合同任務の記憶は俺の頭の中から消えていた。何故かって?それは皆様のお察しの通りでございましょう。
皆様も蟲の毒にはご注意下さい。
ーfin
コメント
2件
さらさん、私も同じ気持ちです。 最高以外言えない! ぎゆしの会、入りたいです!!
きゃぁぁーーーー!!! まさかの続編🙈💖控えめに言って最高です^^