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「どうして友達なんて言ったの?」
「だって、あの先生の前では恋人って思われたくなかったんでしょ?」
「そんなんじゃないって…」
片岡先生は中学時代の憧れの大人の女性…‥
今も憧れの先生である事には変わりはないけど、今は中学時代に色々とお世話になった恩師。
でも、こんな事を葵に言った所で、弁解してるとしか思われないから絶対に言わない。
それから、かれこれ待つこと10分くらいが経った。
「紺野くん、見つかったわよ」
すると仲村さんの手紙を見つけた片岡先生が僕の元にやって来た。
「読んでみなよ」
片岡先生は、それを僕の前に差し出してきた。
「僕がですか? でも、どうして?」
「2人は両想いだったんでしょ?」
「そうなんですかね…」
「だったら読んであげれば」
「わかりました。でも先生は?」
「私はいいわ。涙が止まらなくなって、この後仕事にならなくなっちゃうから…」
僕は余り乗る気ではなかったけど、恐る恐る封筒から手紙を取り出し読み始めた。
【20歳の私へ
今、あなたはどんな生活を送っていますか?
大学生になったんですか?
それとも就職しましたか?
もしかして、大好きな人と結婚して子供を産んで幸せな毎日を過ごしていますか?
今の私には全く想像がつきませんが、私の頑張り次第で未来は光輝くものになると信じています。
20歳の私に聞きたい事が1つあります。
それは、“あなたの隣には誰がいますか?”という質問です。
もしかして、紺野瑛太くんがいるんじゃないんですか?
これは私の希望なんですけど…。
未来に希望を抱いているくせに、今の私は意気地なしで紺野くんに対して何も出来ていません。
頑張ろうと思ってはいるのですが、いざ彼を目の前にすると何も出来なくなってしまいます。
だから、もしあなたの隣に彼がいないのなら、それは私の責任です。
本当にゴメンなさい。
最後に今の私の想いを書き留めて終わりにします。
20歳の私が読んだら笑ってしまうかもしれないけど、この想いは本気です。
私は、紺野瑛太くんが大好き。
そして彼にも、私を好きになって欲しい。
それで、もし付き合い始めたら、いつも一緒にいたい。
色んな所に遊びに行きたい。
初めてのキスをするなら私の唇は彼に奪ってもらいたい。
優しく抱きしめてもらいたい。
もしも結ばれないとしても、私は紺野くんを傍でずっと見守って行きたい。
もし、これから先、紺野くんの身に何かあったのなら私が紺野くんの身代わりになりたい。