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続き
雨花「お待たせ〜」
桃時「あんた遅いわよ。今回のフリーマーケットでは各クラスごとに交代でやるのよね?」
雨花「そうだったね。クラスごとってことはつまり、兎白くんのフリーマーケットも周れるね」
桃時「確かにそうね。橙と瑠璃人のフリマも覗きましょ」
雨花「うん!そうだね!」
兎白side
兎白「ま、まずい……」
何がまずいのかと言うと……
「兎白くんの……品物を買うのよ……」「絶対買うわ……」「ハートが付いた奴……絶対買わなきゃ」「何がなんでも手に入れてみせる……」
女子たちの愛憎渦巻く願望がむき出しになっていたからである。
兎白「(一応、品物は複数用意したが、その中にハートが付いたものは一つだけ。これをどうしても桃時に買ってもらいたい。これを奪われるわけにはいかない……)」
兎白の品物は、コースターだった。
兎白は拳に握り、覚悟を決めたかのような凛々しい顔になった。
「きゃああああ!かっこいい!!兎白先輩!!」
そのおかげで歓声真っ黄色になって逆効果になったのは少し別の話。
橙、瑠璃人side
橙「よし。販売準備終了ですね。」
瑠璃人「そうだな〜オレの品物何か知りたいか?」
橙「何ですか?」
瑠璃人「オレの品物はこれだ!」
瑠璃人が出したのは、お菓子セットだった。
瑠璃人「今回のフリマは、子供も来るだろ?だから丁度良いかな〜って!」
橙「…………ていうことはハートはないんですね」
瑠璃人「ん?何か言ったか?」
橙「いえ!何も!…………」
そもそも瑠璃人さんとは同じクラスですし、わたしの品物渡せるでしょうか……
橙の手元にはハートの模様が付いたマフラーがあった。
橙「(瑠璃人さんが、良いと言っていたマフラー……何としても買ってもらいたいです……どうすれば……)」
「橙ちゃーーーん!」
橙「あっお二方。どうかなさいましたか?」
橙の前に現れたのは、この前「フリーマーケット」の噂について教えてくれたクラスメイトの女子二人である。
「良いニュースだよ!うちのクラスだけ男女別に別れてフリマするみたい!」
「さっき先生が言ってたのよ。何でも他の人のフリマの品物があまりにも大きすぎて、私たち男女共にできないって話になったみたい」
橙「本当ですか?!」
それなら瑠璃人さんに買ってもらえる可能性がある……!
『では、これから『鬼灯町フリーマーケット』を開始します!皆さん頑張って下さい!」
とうとうフリーマーケットが始まった。
雨花、桃時side
桃時「いらっしゃー」
雨花「お越しくださりやがりませ〜」
極めてだるそうに売買している某闇桃女子二人。
雨花「売れるのかな〜まぁわたしはどっちでも良いんだけど」
桃時「そうねぇ〜別にアタシも……」
「あっ!お姉ちゃんの売ってる奴可愛い!」
桃時「え?アタシ?」
桃時たちの目の前には、桃時の服を可愛いという女の子とその母親がいた。
「ねぇ、ママ。あれ買って」
「でもこんな立派な服。高いんじゃ?」
桃時「1000円です」
「や、安っ!」
「ママ〜ママ〜買って〜」
「じゃあ頂きますね」
早速、桃時の品物は売れた。
雨花「す、すごい……」
桃時「まさかこんな簡単に売れるだなんて……」
桃時はとても自分の事ながら驚いていた。
雨花「良かったね!桃時ちゃん!可愛いって言ってくれたじゃん!」
桃時「ふん!まぁあの子みる目があるんじゃない?アタシ程じゃないだろうけど」
雨花「あはは!どうだろうね〜」
雨花は、桃時を褒めた。肝心の雨花自身の品物は一行に中々売れないそうだが……草。
雨花「またバカにされた〜自分の方がバカな癖に」
桃時「何の話?」
【続く】