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次の日、二人は再び旧・白野高校へ向かった。
もちろんカメラも回していた。でも、それはもうバズ狙いの動画ではなかった。
体育館の中央に、ライトとカメラをセット。
そして、ハルカがゆっくりと話し始めた。
「今日の動画は、いつもとちょっと違います」
「見てくれてる“誰か”に、伝えたいことがあるんです」
ミナミも、真剣な目でカメラを見つめる。
「──○○さん。あなたが残した夢、ちゃんと届いてるよ」
「あなたの映像は、もう何十万人もが見てる」
「だから……安心して。あなたの夢、バズってます!」
しばらくの沈黙のあと、体育館の天井から静かに拍手の音が響いた。
パチン……パチン……
まるで、「ありがとう」と言っているかのように。