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人を選ぶ内容です
私のバタフライバース
通常の人間に加えて、「蝶」「蛾」「蜘蛛」「蜂」が存在している
蝶
性別問わず人を魅了する容姿を持っており、蜘蛛に食べられる運命。蜘蛛にとってはご馳走。他は普通の人間。自覚はある。
蛾
蝶と見分けがつかないほどの容姿を持っているが、蜘蛛にとっては猛毒。食べると死んでしまう。他は普通の人間。自覚はなく、周りに蝶かと聞かれることで自分が蛾とわかる人が殆ど。
蜘蛛
蝶を捉えて食べる。蛾も食べる。蝶を見ると食べたい衝動に駆られる。自分を蜂と勘違いしている愚かな蜘蛛もいるが少数派。
蜂
蜘蛛に卵を産みつけて繁殖する。血筋を重んじる蜘蛛の一族もあるらしい。卵を育てるために蜘蛛に蝶を食べさせる。自覚はある。数が少ない。
#side h
真っ黒い布で目の前を覆われて、1つの部屋に閉じ込められている。何度も来た場所だから間取りはわかる。ここはパントリーだ。いつもとは違い、血生臭い匂いはするが。
「ねえ、なんで食べてくれないの」
寒気がしてくる程静かな空間に投げられる声。聞き慣れた暖かい声は金属のようにひんやりとしていた。
「何回も言ってるじゃん。俺は人は食べないの」
ソレを近づけたのだろう。反応を刺激する血の香りが目の前からした。肉だ。食欲が掻き立てられると同時に、目の前に人の死体があると考えると吐き気がする。
俺は、今まさに人肉を食べさせられようとしている。
「ひろくんが食べてくれなくちゃ卵植え付けられないんだけど」
感情の読めない声はただただ恐怖を煽ってくる。
「さっさと食べてよ」
心は拒否している。体も拒んでいる。本能だけがソレを求めている。
ソレを食せ
食べちゃだめ
牙を立てろ
弔わなくちゃ
血を吸い取れ
蝶も人だ
俺は蜘蛛だ。そして、もふくんは蜂。蜘蛛と蜂のカップルは決して当たり前なわけじゃあない。卵だけ植え付けて、あとは放置する蜂が多いくらいだ。それなのに彼はわざわざ「恋人」という関係で自分自身を縛っている。対等な関係でいてくれている。
それでも、対立が起きた時に強いのは食物連鎖上蜂で。目の前に「ごちそう」が置かれた俺には本能を抑えるのが精一杯で。
黙りしている俺に苛立ちを覚えたのだろう。口の中にソレを捩じ込んで来た。
「ッや!いやぁ” 」
「やめッ」
口の中に広がる味は今まで食べたどんなものよりも魅力的な味で、でもそんなことを感じている自分が嫌になって、必死に吐き出した。
「なんで…?こんなに愛してるのに」
「蜘蛛は蝶がご馳走なんでしょ?」
息が荒くなる。先程の冷たい声から一変、頭がくらり、とする様な甘い声を聞かされて、何も考えられなくなる。さっきの味のせいで、本能が出てきた。抑えきれない。嫌だ。
いつの間にか目隠しは外されていて、目の前には「ごちそう」と眉を下げて自信がなさそうにこちらを見つめる彼がいた。
大好きな彼よりも、大嫌いな筈のソレに惹きつけられる。目が離せなくなる。舌鼓を打っている。
「ほら、食べちゃいなよ」
ドロドロした所を全て隠すような甘ったるい声。まるで悪魔の囁き。でも、抗えない。
今度は口に入れられた訳じゃない。自分の意思で、俺の意識で人を食べた。
ボロボロに涙を流しながら、その味に夢中になっている。全身の細胞が、血が喜んでいる。餌を前に出されながら「待て」を出されていた本能を解放してしまった今、野生動物の様に、目の前のソレに夢中になる。
正面にいる彼は、暗いパントリーでもハッキリとわかるくらい、笑っていた。
コメント
1件
バタフライバースの設定がすごく生々しくて引き込まれました。蝶=蜘蛛の餌、蜂=蜘蛛に卵を植え付ける、という食物連鎖の上で「食べること」が愛の証明として反転していくのが怖い。「食べたくない」と泣きながら本能に負けてしまうひろくんのラスト、暗がりでもわかる彼の笑顔が本当にぞっとしました。続きが気になります。
#妄想
memi(めみ)
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とう🈂️🔥
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