昨日のうちに投稿できなかった🥲
ちょっと寝落ちしちゃいましたね()それではどうぞ!!
桃視点
学校に戻って数日、
俺の机はまるで透明だった。
授業で当てられても声が出ない。
体育の時間は見学の紙を出したけど、
その紙を見たクラスの何人かが笑っていた。
「また欠席しそう」
「倒れたって聞いたけど、ほんと?」
「恥ずかしくないのかな 」
りうらの名前が出るたび心臓が冷たくなる
父さんの言う通り俺は 弱い。
弱い自分が嫌で、
それなのにどうしようもなくて。
昼休み、教室を出ようとしたとき、
後ろで誰かが言った。
「また弟に甘えてんのかな」
その瞬間――
俺の中で何かがぷつんと切れた。
桃視点
フラフラしながらトイレに隠れた。
泣くのは嫌だ、でも泣きそうだった。
桃(学校では泣かないって決めたのに……)
足がふらつき、施錠の所に手をついた瞬間
周りの空気が歪んだ。
視界が白くなって、耳鳴りがして、
身体が自分のものじゃなくなる。
桃「っ……はッふ、けほ、ッ”ぅ、”っ……」
呼吸が吸えない。
酸素が胸に入ってこない。
パニックだ、と感じる余裕すらない。
ただ苦しくて、涙が出て、
その場に崩れ落ちた。
桃(りうら……)
その名前だけ頭に浮かんだ。
赤視点
なんとなくで嫌な予感はしていた。
教室を覗いたらないくんがいなかったから。
トイレの個室の奥側、倒れ込んでいる影が見えて、
心臓が止まった。
赤「ないくん!!」
走って抱き上げる。
ないくんは息が上手く吸えなくて、手が震えてて、
泣いてるのか汗なのかわからないほど湿っていた。
赤「大丈夫、大丈夫だから……!りうら がいるから……!」
言いながら、
俺のほうが震えていた。
保健室に運んで、必死に過呼吸を落ち着かせて、
ないくんが少しずつ呼吸を取り戻して――
その瞬間、
俺の中の何かが崩れた。
赤(もう、これ以上……耐えられないかもしれない……)
赤視点
家に帰ると、父が俺たちを待っていた。
「また学校で騒ぎを起こしたんだな」
ないくんが背を丸める。
俺は父の正面に立った。
赤「騒ぎじゃないよ父さん。 ないくんは体調悪くて倒れたんだよ。」
「それが甘えだと言っているんだ」
赤「…は、??」
その瞬間、
俺の堪えていたものが音を立てて切れた。
赤「甘え、? じゃあなんで周りの大人は俺達を保健室に行かせるのを止めなかったの!?」
父が一瞬だけ固まり、
ないくんが顔を上げる。
赤「そのくらい周りからみてもないくんは死にそうでっ、消えかかってたんだよッ、 」
声が震えて、涙が滲む。
父は呆れたように鼻を鳴らす。
「りうら、お前まで壊れてどうする。
兄の面倒を見すぎだ」
赤「面倒なんかじゃないッ”!!」
叫び声が家に響いた。
「ただ俺が守りたいだけなんだよッ”!!
俺の意思でッ!!」
父は沈黙し、
やがて疲れた顔で部屋を去った。
残されたのは、
息を飲んで立ち尽くす俺たちだけ。
桃視点
夜になって、
俺はりうらの部屋に行った。
部屋の扉を開けると、
りうらが布団の上に座り込んで、顔を両手で覆っていた。
泣いていた。
桃「…りうら、?」
顔を上げた瞬間、
ぐしゃぐしゃの涙目で俺を見た。
赤「ないくん、??…おれっ…、こわ かったんだよッ今日の、やつッ、…」
声が震えすぎていて、
いつものりうらじゃなかった。
俺は自然と隣に座った。
りうらが俺の肩に額を押し付ける。
赤「初めて父さんに自分から反抗しちゃって…今までの父さんの言葉はキツイけど、正しいことしか言わなかったから、ッ 」
泣き声が痛いほど刺さる。
俺はりうらの背中を抱きしめた。
桃「ごめん… ごめん、りうらっ、俺が…弱くて……」
赤「違うっ、! 違うよ…!! 弱いのはりうらなんだよっ、、 ないくんのこと守るって言って…… なのにりうらのほうが泣いてッ、 ほんと、っ最低だよッ、……」
りうらは俺の服をぎゅっと掴んだ。
桃(りうら…こんなに苦しんでたんだ……)
胸が痛かった。
自分の痛みとは別の場所が痛かった。
赤視点
ないくんが倒れてから数日がたったとき。
父の圧力、学校の視線、 ないくんの体調、俺の限界。
全部が積み重なっていた。
そしてある夜。
俺は静かにないくんの部屋をノックした。
赤「……ないくん。 もし……もしもの話なんだけど」
ないんくんが顔を上げる。
赤「この家……出るって言ったら……
一緒に来てくれる?」
ないくんの目が揺れる。
桃「りうら……本気で言ってんの……?」
赤「うん。 もう……俺は、 ないくんをこれ以上こんな場所に置きたくない」
声が震えた。
涙がにじんだ。
ないくんはゆっくり、苦しそうに息を吐いて、
桃「……りうらが行くなら…… 俺も行くよ。 どこでもいい。 」
その答えは、
苦しくて、切なくて、
でもどこか救われるような痛みだった。
桃視点
その夜、 俺はずっと眠れなかった。
でも、ひとりじゃなかった。
「ないくん、手……出して」
暗がりで、りうらがそっと手を伸ばしてきた。
俺はその手を握る。
その手の温かさが、
この世界でいちばんの救いだった。
りうらが小さな声で言う。
桃「沈むときは……一緒に沈もうね」
俺は涙を流しながら言った。
赤「……うん。 でも……沈んでもいいから……
りうらは俺のそばにいてほしい、」
りうらは強く手を握り返した。
赤「いるよ。 死ぬまで…死んでもいる。」
その言葉が、
胸の奥に深く刺さった。
重くて、
苦しくて、
でも離れがたい夜だった。
ふたりは沈んでいた。
同じ場所で、同じ姿勢で。
でも――
その手は確かに繋がっていた。
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コメント
1件
ひぇー… 泣いちゃうじゃん😭