半身が固く抱かれ、潤いで満たされた内腿深くへ熱感が押し寄せる。
「……んっ、ああ……辛くはないか?」
「……ううん」と、首を左右に振って応える。
「……抱いて、いて……もっと」
「抱いていたい、もっと……もっと」
首筋に、胸に、唇へ、飽くことなく繰り返されるキスに、
抱かれた身体ごと、蕩けていきそうで……。
「……あなたを、愛してる」
キスの合間にこぼれた想いに、
「私も、愛してるよ……」
甘やかな声と共に、吐息さえ奪われるような深い口づけが落とされた──。
温かな腕の中で、心地のいい気怠さを感じていると、
「汗をかいただろう。シャワーを浴びて来るといい」
彼に手を取られ、優しく抱き起こされた。
部屋の奥には、寝室と同じスタイルのレストルームと隣り合うシステムバスがあって、中に入り熱いシャワーを掛け流していると、不意に背中から抱き寄せられた。
「……きゃっ」
「まだ、離したくなかったんだ」
後ろから、肩へ柔らかに口づけられる。
「うん……離れたくない。私も……あっ、ん」
腰に回されていた彼の手が下から胸を捕らえて、思わず声が漏れる。
「抱いていたくて、君を」
後ろから耳に囁きかけられて、彼の手の中にある胸がとくんと震える。
「……やぁ、ん」
「そんな可愛い声を出されたら、よけいに止められなくなりそうだ」
肩越しに、うなじから耳の付け根へと唇が辿ると、身体の疼きが再燃した。
「私に顔を向けて」
正面で身体が向き合うと、
「君と、出会えてよかった」
ぎゅっと両腕に抱き締められた。
昼間、華さんと話していたのと同じことが彼の口から伝えられて、
「私も、あなたに出会えてよかった」
感慨深い思いで、返したその言葉をぐっと噛み締めた……。
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