弥恋に気持ちを打ち明けられてから、果爲は自分の身も大切に考えるようになり、遠距離から戦う術を身につけるために放課後弥恋と特訓に勤しんだ。
弥恋「遠距離だからやっぱビームとかなんとか玉みたいな…打てるやつがいいんじゃない? 」
果爲「それもそうだね。でも私の能力ってダークマターを操るから、私が統制してないと直ぐに構造崩壊が起きて無くなっちゃうんだよね…」
弥恋「なるほどぉ…ちなみに可動域は?」
果爲「半径200mってとこかな」
弥恋「複数同時に操作できたりする?」
果爲「うーん…めっちゃ集中すれば?」
弥恋「んじゃ それで行こう。なんか強そうなの出してみて!」
果爲「了解」
そう言って果爲が出したのは手裏剣だった。しかし手裏剣と言うには大きく、星型をしていた。
弥恋「いいじゃんいいじゃん!これなら飛ばして攻撃出来るし、使い切りの構造物にはならないね!」
果爲「うん。上出来かな?w」
そう言って気を良くした果爲は、近くにあった古びたパイプ椅子に試しに飛ばしてみた。すると、パイプ椅子はいとも簡単に切り刻まれ、勢い余って地面すら抉った。
果爲「……もっと練習しよ」
弥恋「千切りにならんようにねw」
2人はそれからというもの、練習の日々に明け暮れた。そんなある日、いつも通り放課後で練習していた所…
弥恋「ねぇ、今手裏剣が当たったところ…なんか溶けてない?」
果爲「え?」
弥恋に言われてそれを見ると、確かにパイプ椅子のパイプがまるで高温で溶かされたようにドロっとした形状になっていたのだ。
果爲「何これ…摩擦で溶けたとか?」
弥恋「いやいや鉄の融点大体1500℃だよ?到底摩擦で出せるような温度じゃないじゃんw」
果爲にもそれは分かっていた。しかしやはりどう見ても溶けているのを見た果爲は、さっき保健の授業でみた血液の仕組みを思い出した。
果爲「赤血球みたいな感じなのかも…」
弥恋「え、こわ…」
果爲「いや違うんだって。ほら、赤血球って酸素をもって運ぶじゃんか。そのおかげで全身に行き渡るわけでしょ?」
弥恋「うんうん。……ん…つまり?」
果爲「私のダークマターがほかの原子を運んでるというか…つまり、ダークマターの粒子が原子に取り付いて、私がダークマターを動かすことで間接的に原子を動かせてるんじゃない?」
弥恋「ちょっと試してみようよ」
そう言って弥恋は自分の水筒を取り出した。
弥恋「もしそれが本当なら、中の水を融点に限らず凍らせられるんじゃない?」
そういう弥恋につられ、果爲は意識を集中させて目の前の水に、固まるイメージを投影した。すると忽ち水は固まり、まるで氷のようになった。
弥恋「証明できたね。この氷触っても冷たくないよ。かなの言ってることは合ってたみたい。」
果爲「…… これ結構凄いことなのでは?」
弥恋「汎用性高いよ。新しい技とか試そ試そ!」
それからというもの、2人は試行錯誤し次のような技を得た。
① 物質にダークマター粒子を纏わせ、変形させられる
② 自身より遥かに重いものも、性質を利用して操れる
③ 原子だけでなく陽子や電子も操れるので、原子自体を別の原子にできる(核反応 )
④ ダークマターの構造物の粒子の腕を増やすことで、強度をさらに上げられる。
弥恋も、果爲自身も、能力についての理解が深まり、より一層強くなれた気がした。
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