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領子の個性が2人の間に発動しなくなってからは、不自由なくコミュニケーションが取れるようになった。
「刀の振り方、うまくなったね。振り下ろす時の音が変わった。」
領子の稽古に、爆豪も時々参加するようになった。
「次は、薙刀やる??」
「そうだな。」
「じゃ、私はいつもの笏杖で。」
リズムよく、乾いた音が鳴り響く。一際大きい音が響いたと思えば。
「やっとお前から1本取れたぜ。」
「今後のヒーロー活動に影響出かねないから、それだけはやめてよー。」
へらへらした態度から一変して、倍の速さで打ち込んでくる。
「てめっ!!手抜いてやがったな!?」
「抜いてないことなかったけど、悔しかったので!!反撃しないと壁にぶつかるよ!!」
「このやろっ!!」
「甘い!!」
反撃の一振は簡単に弾かれ、領子の鋭い眼差しと共に笏杖は爆豪の喉元に向けられる。
「わーったよ!!降参だ!!」
領子は満足そうに笑って、笏杖を下ろす。
そこまで。2人とも良いもの見せてもらったよ。
と、先生の指導が入ったので切り上げることに。帰り道で。
「今度さ、ここでランチしない??」
と領子はスマホを見せる。
「ここって、あの大使がいったとこじゃねーか。」
「うん。運ばれてくる料理見ててさ、美味しそうだなぁって。」
「要人そっちのけかよ。」
「それをおかずに◯イダー流し込んだ。どう??ランチはわりとリーズナブルだよ??」
「良いぜ。帰ったら休みの日連絡する。」
「ありがとう。私もそうする!!」
そう言って領子は先に電車を降りていった。
ランチ当日、2人ドレスコードでお店に入る。
「おい…領子…。」
名前呼びに、ナイフとフォークの手が止まる。
「ばく…。勝己君どうしたの??」
「これ…。」
そっけなく指輪ケースから指輪を出し、領子の右薬指にはめた。
「んんん!?展開早くないですか!?」
小声かつテンション高めな領子。
「なんか、他のヤツに取られたくないっつーか…。」
「急に語彙力ないね??」
「っせーな。デザートまで食べたら、さっさと出るぞ!!」
ということで、お店を出て雰囲気の良い並木道を歩く。
「指輪ありがとう。嬉しいな。」
木漏れ日に右手をかざす。
「爆豪君の指輪は??」
「ケースにある。」
「はめてあげようか??」
「ん…。」
噴水のある公園が目についたのでそこに入り、空いているベンチに。
「なんでさ、他の人に取られたくないの??」
渡された指輪をはめて、領子は問う。爆豪は離れる領子の手を掴み抱き寄せ。
「領…子のことが、好きだからに決まってんだろ!!」
こんなに顔が近いのは戦闘訓練以来である。
「私も、勝己君のこと好きだよ。」
顔を赤く染め、領子も返す。
もう、2人を隔てるものは何もない。
新たな物語が、ここから始まる。