その巻が完成した場合は、題名の横に「改」をつけます。
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え、嘘だろ?
俺はさっきまで戦っていた炎亜種、毒亜種のキングオーガの二倍の大きさになった巨大炎毒亜種キングオーガを見上げた。
巨大炎毒亜種キングオーガは俺たちに向かって走ってきた。ただ、何故か俺は危機感を感じなかった。
あと少しで巨大キングオーガの頭がオーガ同好会研究施設地下室の天井にぶつかりそうだし。あ、ぶつけた。
頭をぶつけた巨大キングオーガは頭を抑えて一瞬うずくまり、天井を見たと思ったら拳を固めて天井を殴りつけた。
天井が粉々になってく連れ落ちてきた。
いやさ、キングオーガくん。その行動をしたらその後何が起きるかとか、考えるようにしようね?
俺、マール、カル、フックは急いで巨大キングオーガの体の下に入ったから被害は受けなかった。
だが、俺達の屋根として瓦礫を防いでくれたキングオーガは思いっきりダメージを受けたっぽい。
ちょっとアホな巨大キングオーガ(ちょっと名前長いからKKオーガって書くことにします)は怒り、イライラを俺たちにぶつけようと思ったのか地面を眺め、ゴキブリを潰すように地面に向かって平手打ちをはじめた。
だが、KKオーガの見えるところに俺たちはいない。だって、KKオーガの体の下にいるんだもん。
多分そのまま地面に平手打ちをしていても手が痛くなるだけだと思う。
俺たちを探して最終的に四足歩行になったKKオーガはカサカサカサ、と蜘蛛顔負けの気持ち悪さで移動し、結局壁に頭をぶつけた。
うわぁ、めっちゃ痛そうな音したけど、大丈夫かな?心配する義理なんて無いけど。
案の定KKオーガは頭を抑え、地面をのたうち回り始めた。
オーガの王で、伝説のモンスターと言われているキングオーガの威厳は何処へ?
俺たちはまだのたうち回っているKKオーガの体の下からなんとか這い出して、少し離れた場所へと移動した。
うへぇ、めっちゃ痛かったんだろうなぁ。
KKオーガはのたうち回って、今度は右指を壁に引っ掛けて、突き指したっぽい。
うわぁ、ボロボロじゃん。俺たちは何もやってないんだけどね。
痛すぎてKKオーガは歯を食いしばろうとしたのだろうか。今度は口からバキバキと音が聞こえて、巨大な歯の破片が口から落ちてきた。
大丈夫かなぁ?なんか見てると面白くなってきた。
その後1時間近くアホなことをKKオーガは繰り返し、結局合体してからは俺たちが手を加える必要もなく、王冠を2つ、超大魔石を2つ残して消えてしまった。
なんか、伝説級モンスターと戦った気がしない。
マールやカル、フックもやりきれないような顔をしている。
結局梯子は壊れてしまい、地上にいるリヒトさんに縄を落としてもらってなんとか俺たちは地上に戻れたのだった。
そして今回は依頼人がしっかりした人で、ちゃんと報酬〈炎属性魔導書〉を貰えたのだった。
ただ、炎属性魔導書は炎属性を覚えていないと、開けないらしけど。
まあ、いつか覚える日が来るかもしれない。それに、貰っといて損はないだろう。
そんなこんなで俺はリヒトさんと別れ、なんとか真夜中にルミアの冒険者ギルドに着いた。
まだ開いてるかな?と思いながら冒険者ギルドの中を覗くと、まだ営業していた。
いや、今真夜中12時だよ?すごいな、冒険者ギルド。
冒険者ギルドの中に入ると、受付にはあの女の子がいた。
その受付の列に並んで順番が来ると、受付の資料を見ていた女の子は俺を見上げ、顔をほころばせた。
俺は少し手を上げて挨拶をすると、冒険者カードを受付の女の子に渡した。
「依頼は成功したんですね?」
「はい。これが証拠品です」
俺はそう言ってキングオーガの王冠を2つ女の子に手渡した。背負っていた袋から王冠を出した時に、俺に周囲にいた冒険者たちの視線が集まったのはなんでだ?
このことを聞いてあれ?と思う人もいるかも知れない。
結局リヒトさんはキングオーガの王冠は貰わなかった。証拠品という意味で指定しただけで、実際はキングオーガの討伐がメインだったらしい。
それに、冒険者ギルドは戦利品の買い取りもしてくれる。
「キングオーガの王冠はどっちも売却してもらえるかな?」
「は、はい!了解しました!」
受付の女の子は金ピカの王冠に目を奪われたあとに、すぐに2つの王冠を受け取って受付の奥へと消えた。
そしてしばらくして…。
「売却が完了しました!金額は、王冠一つに付き100金貨、合計200金貨でどうでしょうか?」
流石は伝説級モンスターの戦利品。めっちゃ高く売れる。
「じゃあ、その金額でお願いします!」
「かしこまりました!」
受付の女の子は後ろにある棚を開けて手を突っ込んだと思ったら、すぐに200金貨を取り出して俺の前においた。
「200金貨です。金額に間違いがないか、ご確認ください。」
俺が数えると、ピッタリ200枚金貨があった。
「あと、当ギルドマスターの指定によって、依頼達成数は+5され、合計依頼達成数は6になりまね。あ、ということは、おめでとうございます!冒険者ランクCになりました!すぐに冒険者カードを最新してきます!」
そういって俺の冒険者カードを持って受付の後ろへ消えた女の子を見ながら、俺は思った。なんで、彼女は俺を見て、顔をほころばせたのだろうか?
しばらくして受付の女の子が戻ってきて、俺に冒険者カードを渡してきた。
「冒険者カードの最新が完了して、正式に冒険者ランクCになりました!次は冒険者ランクBですね!依頼数30目指してがんばってください!」
冒険者カードを見ると、しっかり冒険者ランクの欄がCになっていて、依頼達成数欄も6になっている。
よっしゃ!
俺は受付にいる女の子にひと声かけて、ルミア冒険者ギルドから外に出てやっと、今が真夜中だったということを思い出したのだった。
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