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第6話「それ、反則」
放課後。
「湊ー、待って!」
教室を出ようとした湊のところへ、悠真が駆け寄ってきた。
「遅い」
「ごめんって!」
悠真は笑いながら湊の隣に並ぶ。
「今日一緒に帰ろ」
「いつもだろ」
「……じゃあ今日もよろしく」
「なんだそれ」
二人で笑いながら廊下を歩く。
しばらくすると、悠真が突然湊の肩に寄りかかった。
「疲れたー」
「重い」
「ひど」
「自分で歩け」
「やだ。ちょっとだけ」
湊は呆れながらも、悠真を振り払わなかった。
「……ほんと子どもだな」
「湊が優しいから甘えてんの」
「調子乗るな」
そう言いながら、湊の口元には小さな笑みが浮かんでいた。
「ねえ、湊」
「何」
「俺のこと好き?」
「……は?」
「友達として!」
悠真がケラケラ笑う。
湊は一瞬黙ってから、
「……まあ、好きだけど」
「やった!」
「何がやっただよ」
「なんか嬉しいじゃん」
悠真は満足そうに笑った。
その笑顔を見て、湊は小さくため息をつく。
「……ほんと、ずるいな」
「え?」
「なんでもない」
「なにそれー!」
悠真が湊の袖をつかむ。
「ちゃんと言ってよ」
「言わない」
「えー!」
二人の笑い声が、夕方の廊下に響いた。
――まだ、この気持ちに名前をつけるには早かった。
コメント
1件
沙良さん、第6話読みました!湊と悠真のコンビ、ほんと良いですね〜。「重い」「自分で歩け」って言いながらも悠真を振り払わない湊のとこ、優しさ滲み出ててじわっと来ました。最後の「まだ、この気持ちに名前をつけるには早かった」で、ああ、これからゆっくり変わっていくのかな…って期待が膨らみます。続き、楽しみにしてます!