いじめ。
レウらだ
ー注意ー
いじめ表現が沢山あります。
刃物や、煙草など、暴力表情もあります。
自殺も微妙にあります。
なんでも許せる方だけが進んでください。
では、どうぞ…
チュンチュン_
鳥の鳴き声で目を覚ます。
正直起きたくなんて無かった。
起きたら、罵詈雑言がイヤでも耳に入ってきてしまうから。
そんな日々を消し去ってしまいたかった。
でも目覚めてしまったんだ。
いつまでも死なせてくれない神を俺は恨んだ。
学校に行く支度をして、玄関に立つ。
「行ってきます。」
なんて、誰にも届かない事は分かっていながらその言葉を置いて家を出る。
バシャンッ_
ドアを開けた瞬間上から水が落ちてくる。
びしょ濡れになった状態のまま前を見ると、クラスの皆んなが笑っている。
俺には何処にも居場所が無い。
前を見て固まっていると、やっぱり罵詈雑言が聞こえてくる。
これが嫌なんだ。
「らっだぁ〜!!って、大丈夫!?」
こんな俺にも声をかけ、心配もしてくれる人が居る。
その名もレウだ。
今となっては俺のたった一つの生き甲斐だ。
「大丈夫だよ、このくらい」
と言って笑って誤魔化す。
レウに迷惑を掛けたくないから。
俺は小走りで更衣室に行き、持って来ていた体操服に着替える。
服を脱いだ時に見えたものは、痣、痣、痣…
数年前にあった皆んなが羨むぐらいのとても白くて綺麗な肌の面影が全く無い。
痣は腕の方まで広がっている為、長袖のジャージを着て教室へ向かう。
ガラガラ_
ドアを開けるとそこには先生が居た。
いつの間にかチャイムが鳴っていたのだろう、先生は出席を取っていた。
「今日も遅刻かー、あとそろそろ制服ちゃんと着てこいよ?」
俺に気づいた先生は、まるで他人事と言う様に声をかけてくる。
どうせ気づいてるクセに。
周りの奴らはクスクスッと笑っている。
「…はい。」
間の置いた返事に呆れた様な表情をするが俺のことには一切触れず、出席を取り始める。
席に向かっている途中、「クッサw」「近寄んなよw」などの悪口が、小さめの笑い声と一緒に聴こえてくる。
耳を塞ぎたい。
でも塞ぐとまたいじられる。
もう嫌だ。
あんな事はもうやられたく無い。
「…大丈夫?」
席に着くなり、レウに話しかけられる。
大丈夫な訳は無い。
だけど、レウと喋る時となるとまた別だ。
「大丈夫。」
そう微笑んでも、彼は心配そうな目をこっちに向ける。
正直俺はこの目だけで何回も救われた。
俺を心配してくれる人はまだ居るんだ、と前向きな気持ちになれた。
嬉しかった。
「辛かったらいつでも言ってね。」
レウは俺の今1番欲しい言葉を的確に当てて返してくれる。
そんな温かく包み込んでくれるレウが好きだ。
俺がどんだけ弱音を吐いても悪く言わないし、支えてくれる。
俺はきっとレウに依存してしまっているんだ。
ガチャ…
いつも通り屋上に行く。
今日も今日とで殴られるのだろう。
そう思っていたのに。
「やっと来たw」
「おっそw」
アイツらはカッターやライター、バッドなどを持っている。
完全に俺を殺す気だ。
逃げたい。
逃げなきゃ。
頭の中ではそう叫んでいるのに、足が動かない。
「ははっwアイツ足すくんでるぜw」
「それじゃあ、逃げたくても逃げれねぇだろうなぁ?w」
一歩ずつ、一歩ずつ向かってくる。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ死んじゃう。
そう本能が叫んでいる。
分かっているそんな事。
ナイフが首元に当たる。
「ここ掻っ切ったらお前死ぬだろ?w」
「ッ…」
痛い。
いっその事喉を掻っ切って死なせて欲しい。
そんな甘くは無い。
殴って倒れた俺に馬乗りになり、 服を切る。
切られて露出した肌に、さっきのライターで付けたのだろう、煙草を押し付ける。
「ッヴァッッ」
「良い様だなぁw」
痛がっている俺を見て笑う。
でも傷付ける手を止めない。
俺は神様が嫌いだ。
俺は何もしてないのに。
こんな運命にさせた神なんて大っ嫌いだ。
こんなのはただの責任転嫁とは気づいている。
気づいていながらも、心の奥底にしまっている。
自分の為。
そう考えると楽だった。
「ッらっだぁ!!」
バンッッとドアを開け、レウが入ってくる。
「…れ、う…?」
何十分も、切られたり殴られたりされた身体はもうボロボロで、まともに喋れない。
こんな無惨な姿になってもレウはそのまま接してくれるかな。
なんて考えていると少し笑みをこぼしてしまう。
「お前らッッ!!」
「な、なんで…!!」
レウとアイツらが言い合っている。
何も聴こえない。
意識が朦朧としてくる。
アイツらは何故かすんなりと屋上から出ていく。
反対にレウは俺に駆け寄ってくる。
「ごめんッ、来るの遅くなっちゃってッ」
あまり良くは見えないが、泣いている。
泣かないで、って言いたかったけど口パクになってしまった。
気持ちを伝える為、力を振り絞ってレウの頭を撫でる。
「ッ、好きだよ。」
突然の告白に戸惑うが、微笑む。
「…おれも、好き」
声が出た。
それに俺自身が驚く。
何故かレウも驚いた表情をしている。
その事に吹き出して、大笑いをする。
傷は痛むけど、それより幸せって気持ちが大きく、痛みなんか消えて行く。
「…らっだぁ。消え去りたい、なんか考えないでよ?」
ひとしきり笑った後、真剣に見つめてそんな事を言ってくる。
もう死にたい理由なんて無い。
明日またいじめられるかもしれない。
殴られるかもしれない。
でもそれも相殺してくれるほど大切で、大好きなレウが居るから。
「考えないよ。」
スラリと出て来た声はか細く、でも希望に溢れてる、そんな感じの声だ。
「良かった。」
レウは安心したようで、へにゃっと笑う。
そんなレウが愛おしい。
「大好きだよ。」の言葉で1日は 終わった。
こんな幸せが続きますように。
happy end_
「ありがとう。」
そんな声が廊下に響く。
「今回はマジで疲れたわ〜w」
「次、なんかあったらまた呼べよ?」
「うん。また離れて行きそうだったら頼むよ」
「りょーかいw」
「お幸せに〜w」
コツ、コツと足音が遠ざかって行く。
「…絶対に離さない。」
コメント
9件
もしかして歪んで系か?え?♡♡♡気か。好きです🫶
なになになになになになになになになになに 最高?最高じゃん。 レウーンったらいじめっ子達にいじめるように頼んじゃって… 最高…