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第6話
阿部side
翌日の楽屋。
朝早いため、俺一人だ。
昨日は全然眠れなかった。
🖤「俺は、阿部ちゃんが好きだから」
あの声が、俺の中で何度も繰り返される。
その度に苦しくなる。
めめを傷つけたくない。でも、
自分の気持ちに嘘をつきたくない。
俺も佐久間に想いを伝えるべきだろうか。
『 あ の 時 』 のようにまた拒絶されるだろうか。
なんてことを考えていたら、少し眠そうな佐久間が楽屋に入ってきた。
🩷「おはよぉございまーす⋯⋯んにゃっ、阿部ちゃん来てたんだ、おはよっ!」
佐久間は眠そうに目をこすりながらふにゃっと笑った。でもその瞳の奥に不安を感じた。
💚「さくま」
呼ぶと、佐久間は振り向く。
🩷「どったの、阿部ちゃん?」
💚「つらいことがあったら、どんな小さなことでもいいから言ってね。」
🩷「ふふ、ありがと阿部ちゃん、でも俺っち平気だよ?」
そう言ってまた無理して笑う。
佐久間は俺に隠し事なんて無理だよ?なんて思いながら、もう一度真剣な眼差して言う。
💚「無理しないで、」
佐久間の目を見つめる。目が合う。
もう逃げられない、と悟ったのか、佐久間の目に覚悟を感じた。
🩷「⋯⋯⋯阿部ちゃんさ、」
💚「うん」
🩷「俺が⋯さ、なんで蓮のこと好きになったか、知らないでしょ」
💚「っ、、え?」
思いもよらぬことを聞かれ戸惑う。
🩷「現実から、逃げるため」
佐久間は俺の目を見て言った。
💚「現実、?」
🩷「阿部ちゃんのことが、とんでもなく好きな自分が怖かった。だから俺は逃げた。」
ますます戸惑う。どういうこと?俺のことが好き?
💚「⋯え、でもっ」
あの日、佐久間は俺を拒絶した。
今でも鮮明に覚えている。
―――🩷『阿部ちゃんのことなんか好きじゃないから。もう全部忘れて、無かったことにして⋯⋯⋯』―――
あの時のは何だったの?佐久間はどう説明するの?
🩷「 『 あ の 日 』 は、好きじゃないって言った。でもそれは、関係を壊すのが怖かったから。」
「あれ以上踏み込んだらいけないって思ったから。」
💚「⋯⋯⋯嘘だ」
🩷「嘘じゃないっ、阿部ちゃんは俺の気持ちなんて何も知らないでしょ?
俺だってずっと怖くてっ、現実逃避してたら蓮を好きになってたっっ」
嘘だ。
🩷「でもホントはずっと阿部ちゃんのこと好きだったっっっ!!」
💚「嘘だっ!」
🩷「嘘じゃない!!」
佐久間はその勢いのまま俺の身体を押し倒した。
💚「っ、ねぇっ」
🩷「今も⋯ずっと好きだよ…………」
震える声でそう言うと、
ちゅっ
静かに口が塞がれた。
時間が止まる。
『 あ の 日 』が、フラッシュバックする。
でも、佐久間は、すぐ離れた。
🩷「⋯⋯ ごめん」
震えている。
🩷「こんなことするつもりじゃなかったんだけど⋯⋯⋯⋯⋯」
💚「さくま⋯」
🩷「ほんと無責任だよね、俺って」
💚「ちがっ」
🩷「もう全部忘れて。ほんとごめん、全部嘘だから」
そんなわけない。
佐久間の目には涙が溜まっていた。
本気なんでしょ?全部全部―――
🩷「ごめん、」
💚「待ってさくまっ」
なんて声を出しても、遅かった。
佐久間はそのままどこかへ走り去ってしまった。
コメント
2件
初めまして、コメント失礼いたします。🖤💚🩷の三角関係大好きなので続きをとても楽しみにしております…!