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『夕立』
頬を撫でる風と遠くのチャイムの音で顔を上げる_重たい身体を起こしながら下校チャイムの音を聞く_放課後になったことで周りに居た生徒達は帰って行く_もう一度組んだ腕に額を押し付ける_遠くからの生徒の声や野球部の掛け声を子守唄にしていると_意図せずとも夢の中に沈んでいく_
どれほど経ったのだろうか_耳を澄ませば剣道部の竹刀の擦り合う音が聞こえる_”もうそんな時間か”_誰も居ない教室に自分の声が響く_椅子から立ち上がり_鞄を背負う_急に立ったからだろうか_立ちくらみと共に歩き出す_個々の部活動の奏でる音を聴きながら誰もいない廊下を歩く_ゆっくりとした足取りで校門を跨ぐ
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不意に_後ろ髪を引かれる気分になった__
“久しぶりに、行ってみるか”
先程よりも軽い足取りで来た道を戻って行った