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あれは多分拓馬が幼稚園で年長だった頃。大人しい拓馬が女の子と喧嘩をしたと電話が来た。私は正直耳を疑った。普段から賢く、人と喧嘩などしないように危険ごとを避けるような子なのに。幼稚園児にそんなことできるか?と聞かれたら、普通はできないと答えるだろう。しかし、拓馬はそれができるほどに賢かった。そんな拓馬が喧嘩なんて…そう思って、急いで幼稚園へと向かった。そこには、半泣きの拓馬と先生にしがみつくようにして拓馬から隠れている女の子がいた。

「先生、うちの拓馬が何かしましたか?」

私は不安だけど、このままだと埒が明かないと思い、話を切り出した。もし拓馬が女の子に手を上げていたら…正直そんなことも考えた。しかし、先生の返答は意外なものだった。

「申し訳ありません!こちらに居る絵梨花ちゃんが、拓馬くんに気持ち悪いと言ったらしく…」

気持ち悪い…頭の中に浮かんだのは、『父親がいないから。』それだけだった。父親がいないから、気持ち悪い子供に育った…そう言われるんじゃないかと思った。私は先生に状況を聞くことにした。それをしなければ何も始まらない。

「先生、なんで絵梨花ちゃんは拓馬に気持ち悪いと言ったんですか?」

「それは…拓馬くんが絵梨花ちゃんにお花を渡したんです。」

「え?」

お花を渡した?それがどうして喧嘩につながるのだろうか。

「そしたら、絵梨花ちゃんが拓馬くん、私のこと好きなの?って聞いたらしく…」

益々分からない…拓馬は喧嘩の原因となることはしていないと思うけど…

「そしたら拓馬くん、絵梨花ちゃんに向かって別に好きってわけじゃないよ、絵梨花ちゃんが僕のこと好きなの?って言ったらしくって…」

「なるほど…それは拓馬が素直に言ったことが悪いかもですね…」

拓馬は確かに賢かったが、素直すぎるのが悪いとこだった。思ったことをすぐに言ってしまったり、やりたいことを後先考えずにやってしまったり…心当たりはたくさんある。

「それに…拓馬くん…なんだか変なことを言ったらしくって…」

変なこと?なんだろう。

「何を言ったんですか?」

「えっと…それは…」

心の声が聞こえる僕と、心を殺した君の話。(完結)

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