テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
311
猫実ゆあ。毎週木曜日投稿
stpr 緑赤 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
赤視点
配信が終わって、スタジオの空気が一気に緩む。
ヘッドホンを外した瞬間、耳に残るのは自分の高音と、彼の少年みたいな声。
「今日もお疲れ様、こえくん」
振り向く前から分かる。
ふわふわした声色、可愛い言い方。
なのに、なぜか逃げ場を塞がれる感じがするのは、気のせいじゃない。
「お疲れ……まとめ、ちゃんとできてた?」
「できてたできてた。むしろ頑張りすぎ」
にこっと笑うその顔は、相変わらず可愛い。
グループの可愛い担当で、声も見た目も愛されキャラ。
……だけど、彼が本気になると、誰よりも強いのを、俺は知ってる。
リーダーとして、みんなを引っ張ってるつもりでも、実際は末っ子気質が抜けない。
Sっぽいって言われるけど、本当は押されると弱い。
「喉、無理してたよね」
近づいてきた彼が、僕のマイクを片付けながら囁く。
少年ぽい声なのに、距離が近すぎて心臓がうるさい。
「ケアしよ。うち来る?」
断れるわけがなかった。
彼の部屋は、相変わらず柔らかい雰囲気で、落ち着く。
ソファに座らされて、温かい飲み物を渡される。
「はい。こえくんは大事にしないと」
「……その言い方、ずるい」
思わず目を逸らすと、くすっと笑われた。
「照れてる」
「うるさい……」
顎に指がかかって、顔を上げさせられる。
視線が合った瞬間、空気が変わった。
「こえくん、ほんとは触られるの弱いでしょ」
声は可愛いのに、言葉は意地悪。
ぞくっと背中が震える。
「……っ、ちが…っ」
キスは、驚くほどゆっくりだった。
軽く触れて、離れて、また触れる。
前戯みたいに、反応を確かめるように。
「声、抑えなくていいよ」
耳元で囁かれて、堪えてた息が漏れる。
泣き虫なの、バレたくないのに、目が熱くなる。
服の上から、丁寧に撫でられる。
急がない。焦らさない。
たまに意地悪に手を止めて、俺の方を見てくる。
「……ドMなんだね」
「言うな……っ」
そう言いながらも、身体は正直で、余計に恥ずかしい。
彼はふわふわしてるくせに、抱きしめる力は強くて、逃げられない。
でも、痛くしない。
全部、俺の呼吸に合わせてくれる。
終わった後、すぐにブランケットをかけられて、背中を撫でられる。
「大丈夫?」
「……うん」
水を飲ませてくれて、髪を整えてくれる。
事後の時間が、いちばん安心する。
「こえくん」
「なに」
「一人で頑張らなくていいから」
少年みたいな声で、真剣に言うから、胸が苦しくなる。
「歌う時も、配信も……ゆうさんが隣にいるでしょ」
抱き寄せられて、額に軽くキスされる。
「……ずるい」
「知ってる」
可愛い顔で、たまにドS。
でも優しくて、強い。
ステージでは俺がリーダー。
この部屋では、全部委ねてしまう。
彼の声に包まれて、
俺は今日も、ひみつの距離で甘やかされていた。
コメント
1件
みぅ🤍🥀です。第1話、読みました。 ふわふわした可愛い口調と、じわじわ迫る意地悪さのギャップがすごく良かった……「可愛い顔でたまにドS」って、ずるいよね。こえくんがじわじわ堕ちてく感じが丁寧に描かれてて、読んでて息が詰まるようなドキドキがあった。事後の優しさがまた胸に来るし、2人の“立場の逆転”が萌えました。続き、気になる……!