もう3月…卒業の季節ですね!
主は相変わらず書いていきます☆
それでは、どうぞ!
〈❤️side〉
すちの羽が覚醒してから1週間が経った。
あれからすちは変わり、どんな時でも羽を出すようになり表情が明るくなった気がする。自分に対しての嫌悪感もなくなったぽいし…飛ぶ提案をして、本当に良かった。
でも、すちが完全に妖精として過ごすようになってから…少し、いやかなり、俺たちの日常も変わってしまった。何故なら……
スポンサー「お願いしますよ!あなたほどの妖精なら、トップも夢じゃないです!」
💚「いや……あの、興味ないです。それに、こういうの誘い今まで全て断ってるので…特別にあなたの企業に乗るとかは良くないので…。」
スポンサー「無償でいいです!収益も出ます!なのでどうか!どうかうちの会社へ!」
💚「え、えぇ………」
❤️「……(今日で3回目の、すちへのスカウトか)」
すちへのスカウトが増えたからだ……特にモデルへのスカウトが多い。
羽を隠さなくなったことにより…すちの羽に一目惚れしたスポンサーたちが次々にスカウトをしにいってしまって、まさにスポンサーホイホイになってしまっている状態。
まぁでも………スカウトしたくなるのも分かる。
羽の綺麗さや大きさは一際目立ち、元々あった顔とスタイルとガタイの良さはモデルにピッタリ、加えて聖人みたいな性格で……こんな絵に描いたような完璧な妖精、喉から手が出るほど欲しくなるのも理解できないことはない。
でも………かなり困ってんだよな。正直
❤️「(今日休日だから、ゲーセン行こうぜってなったのに……スカウトが多すぎて行けない。)」
俺も多少はスカウトされるが、すちは異常。俺達の休日に支障をきたすレベルの頻度だ
❤️「(このままだと、埒が明かねぇな…しゃーね)」
💚「本当に、困るので💦」
スポンサー「いえ、全然大丈夫なんですよ!!」
💚「え…えぇ……💦」
❤️「お兄さ〜ん…?さっきから必要にすちをスカウトしてるお兄さん?」
スポンサー「俺のこと?、どうしました?」
❤️「俺今さ、すちと遊んでんの…邪魔しないでくれる?」
スポンサー「それは申し訳ないですが、こっちも必死で!!」
❤️「必死…か、悪いけどこっちも必死なんで」
❤️「帰ってもらえる?キラン(とあるバッチを見せつける)」
スポンサー「!?!?!?…あ、あぁすいません💦💦💦帰りますッッ!!すいませんでしたぁー!!!」
💚「あぇ………帰った?」
❤️「…このバッチが役に立つ時が来るなんて」
💚「そのバッチ何?」
❤️「王族バッチ」
💚「あぁ、wそりゃ怖いわけだ」
❤️「今度からこれで回避するか。」
💚「その方が有り難いかも……」
❤️「お前断り方下手だもんなw」
💚「今までこんな経験なかったもん!」
❤️「ま、それもそっか…で、今何時?」
💚「今…11:30」
❤️「……12時からイベントあるって言ってなかったっけ?」
💚「あっ!?……そうだシクモン!!ひまちゃん急ぐよ!!!タッタッタッタッ」
❤️「ねぇ!置いてかないでっ!!」
〈💚side〉
💚「もう満足✨️」
❤️「お、おぉ………なんか…すちってこんなに変わるもんなんだな」
💚「好きなものには夢中になるのは当たり前でしょ?」
❤️「まぁな」
💚「てか、振り回しちゃってごめん。次はひまちゃんが俺を振り回していいよ?」
❤️「マジ?ならプリクラ撮ろうぜ!」
💚「好きだねwプリクラ」
❤️「これがいっちゃん楽しいんだから」
💚「じゃあプリクラ撮りに行こっか…前と違う場所で」
❤️「案内よろ」
💚「テクテク…」
❤️「テクテク…」
スポンサー「あの、すみません!!」
💚「あ、………」
❤️「チッ………はぁ」
スポンサー「そこの緑髪の貴方、私の会社に入りませんか!?」
💚「(また、スポンサーだ…)」
4度目の同じ光景。
ひまちゃんも「あぁまたか」と思い懐をガサゴソと漁った後、バッチを見せつけた。
❤️「こいつ、俺のところのやつだから…ちょっかいかけてくんなキラン…」
スポンサー「!?!?王族…バッチ」
❤️「バッチの意味がわかるなら、話は早い。はよ消えろギロ」
💚「(わぁ…ひまちゃんの睨み怖ぁ)」
まぁでもこれで去ってくれるなら、いいかな。
と、思っていたんだけど………。
スポンサー「王族様だったんですね✨️なら是非王族様も私の会社に入ってみませんか!?」
💚「えっ!?」
❤️「はっ!?」
スポンサー「私の会社は、名だたる会社なんですよね…だから、王族様の魅力も我が社が引き出してみせます!なので、お二方私の会社に入ってみませんか!?」
💚「……王族バッチ効かなかったねボソ」
❤️「こんな風になるなんて誰が予想できるかよ…ボソ」
スポンサー「最初の1ヶ月はお試し期間でいいので!」
💚「え、お試し期間……ひまちゃんお試し期間だって、やってみない?」
❤️「お前それ王道的な詐欺の口実だぞ。お試しかと思いきや、お試しじゃなくて正式加入していたみたいな。」
💚「あ………」
スポンサー「……チッ」
❤️「俺らを騙してまで入れたいのか?残念だけど俺らそんなのに一切の興味なんてないから、はよ諦めろ。」
スポンサー「嫌です!絶対に入ってください!!」
❤️「……(無言で拳を握る)」
💚「そそそそそれはまずい💦」
スポンサーに捕まり早10分、ひまちゃんが相当イライラしてしまってるせいで思考が暴力側に偏ってしまっている。
でもこんな所で暴力なんか起こしたら一発アウト、加えてそれが王族だって知られたら……だから絶対に止めないといけない。けどこの人を撒くことも俺には出来ない。
💚「(何とか逃れられないかなぁ…)」
そう思っていると…………
『!?!?!?』
甲高い音がした後に、俺達3人は街中から人気のない所へとテレポートされていた。
💚「へっ!?」
スポンサー「え、何これ!?」
❤️「位置が変わった?…これって…もしかして…ボソ」
💚「急に何が起こって…ひ、ひまちゃんがこれやったの?」
❤️「俺はこんな高等技術は出来ない。こんな高精度の魔技の内の1つ【テレポート】を。」
💚「【テレポート】?」
❤️「狙った対象物を指定の位置に瞬間移動させる技術。」
💚「!?…これ、能力じゃなくて?」
❤️「あぁ…魔技だ。」
💚「…こんな凄い魔技、一体誰が……」
❤️「………すち、ギュ(掴む)」
💚「…ひまちゃん?」
❤️「……俺から絶対離れるなよ」
💚「…それ、どういう」
❤️「………備えろ、そろそろ来るぞ。」
❤️「俺たちを狙った張本人のお出ましだ。」
?「そんな身構えなくてもいいのに、やっぱり疑い深いのね」
スポンサー「!?…あぁあ貴方様は!?」
💚「!…」
❤️「………」
母「スポンサーさん?貴方が私の息子を自身の会社に引き入れようとしている。…その情報は合っているのかしら。」
スポンサー「いぃいいいぃえ!!滅相もございません!!!!」
母「そうならよかったわ!……でも、次そんな情報が回ってきたら…私歯止め効かないかも!」
スポンサー「ひっ!?」
母「……手を出さないでね?ニコ」
スポンサー「ごごごごごごめんなさぁ〜い!!!!タッタッタッタッ」
💚「……す、すごい…一瞬で頑固なスポンサーを」
母「大丈夫だったかしら?2人とも」
💚「は、はい大丈((グイッ…ちょッッ」
❤️「すちは何もするなボソ」
💚「え、……?」
俺を後ろに引っ張り、ひまちゃんは一歩前に出る。そして、ギロッと睨むと同時に殺気を感じた。
❤️「……何しに来ましたか?」
母「何しに来たって…助けに来ただけよ?」
❤️「なら要は終わりましたよね、去ってください。」
母「すぐに去るなんて、つまらないじゃない。最近話してもないんだし…少し一緒に過ごしましょうよ?」
❤️「断ります。もちろんすちもです。」
💚「うぇ…?(断るの?)」
母「そこまで嫌っているの?私のこと」
❤️「はい、なので去ってください。」
母「…なぜそこまで私を拒絶するのか、よく分からないわ。」
❤️「…………」
母「私は母としてなつを、ここまで愛してるのに」
❤️「貴方は事実上の母であっても、心の中では母だと思ったことは一度もありません。」
母「………随分悲しいことを言うようになったわね、なつ。何故そのようなことを言うのかしら。」
❤️「貴方は俺に親の愛をくれなかった。なら母親認定しないのが相場でしょう?」
母「…親の愛が、欠如していたなら…謝るわ。でも私は本当になつを愛している。だから、チャンスを頂戴?」
❤️「チャンスを与えて何になるのですか、俺は今あなたと過ごすのが嫌…それが事実。なので去ってください。」
💚「ね、ねぇひまちゃん…ゆ、許してあげない?すごく可哀想だよ。俺達助けてもらったのに…ずっと威圧的な態度で…」
❤️「……助けてもらった?」
💚「うん、俺達が絡まれているところを…」
❤️「…すち、そんな甘い考えだと生きていけねぇよ。」
💚「え?」
❤️「世の中、お前みたいな聖人で溢れかえってない。」
❤️「こいつは元々俺達を助けるためにここに連れてきたわけではねぇんだよ。」
💚「えっ?」
母「……………」
❤️「あのスポンサーが邪魔だったのは本当だろうけど、善意で連れてきたなんて…微塵もないだろ。」
母「何を根拠にそんなことを」
❤️「隠せきれてないぜ?」
❤️「お前からの殺気」
母「!…………」
❤️「本当に善意で助けたのなら…その殺気は誰に向けてのなんだ?スポンサーか?もうここにはいないのに?」
母「…………」
❤️「しかも、この殺気の強さ。俺だけに向けてのものじゃなくて…すちのも入ってんだろ。」
💚「え?……俺に、殺気?」
確かに少し殺気を感じるけど、それはひまちゃんから出ている気配だから別に…………
あれ?何で俺はひまちゃんが殺気を出しているって思ったんだ??………殺気は感じるけど、その在り処がひまちゃんとは限らない。
そもそも、ひまちゃんが俺に殺意を向ける理由が無いから、ひまちゃんはこの殺気を出していない。
………まさか、俺が感じた殺気は
💚「…全部、そうだったんだ。この殺気。」
❤️「……まさか、感じてた?殺気」
💚「うん。でも、ひまちゃんのものかと思った。」
❤️「へぇ…突然変異種とはいえ、覚醒して数日のすちにまでバレるんだ。…相当な殺意なこった」
❤️「…俺達に殺気を向けてる奴と世間話なんかしてたら、いつ殺されたっておかしくない。なら安全のために、距離を取るのが普通だと思うけど…俺の行動はおかしいか?それでも話すべきだと思うか?」
母「………」
❤️「……お前がその殺意で何をしようとしてるのか、分からない。ただ、俺達に危害を加える気なら……」
❤️「こっちだって出るとこ出るぞ…」
そういい、グワっともう1つの殺気が場を満たす。
さっきの殺気に加えて更に増えるもう1つの殺気、多分こっちがひまちゃんの殺気なんだろうけど……あの事件に比べものにならないぐらい威圧的な殺気、ひまちゃん相当キレてる…。
💚「ひまちゃん……」
❤️「………すち、構えろ。こいつは俺たちを殺す気でいるんだ。俺たちもそのぐらいの対応をしねぇと、無事なほs((」
母「【命令】」
『!?!?』
❤️「すち、にg((」
母「跪け」
『っ!……(跪く)』
母「………見ない間に、随分生意気になったわねなつ。……お前だの、こいつだの、誰に口を利いているのかしら。」
❤️「………」
💚「(動けないっ…これは多分、高等技術の魔技【命令】前ひまちゃんが受けてたやつだ。)
母「…………なつ、後悔するといいわ。あなたのせいで……大切な大切な友達が傷つくのだからね。」
❤️「!……」
💚「(大切な…友達?…それって俺?)」
母「……あなたも覚悟するといいわ。私の計画は…生半可なものじゃないのだからね」
💚「っ!…(…これは、本当にまずいやつだ。)」
母「さて、連れて行こうかしら」
💚「(でも、【命令】を解く能力や技術なんて俺にはない、状況を挽回することは不可能………どうすればっ。)」
❤️「お前の思う通りには行かせねぇよ」
💚「!(えっ………?)」
❤️「シュン(消える)」
母「!!…なつが消え((」
❤️「俺達に危害を加えたんだ、ただで済むと思うな。」
母「っ!…【テレp」
❤️「ボワッ!!!!喰らえ」
母「なッッ!あぁあ”あ”!!!…何で…動いて…ッッ!メラメラメラ」
💚「バチッ……あ、身体の自由が!」
❤️「ガシッ…すち!羽を広げろ!!飛んで逃げるぞ!!!」
💚「う、うん!バサッ!!」
何が起こっているのか、何も分からないまま…俺はひまちゃんの言葉通りに羽を広げ、飛んで逃げた。
桃色の火だるまを、1つ残したまま。
母「メラメラメラ………パンッ!(炎を全て消す)」
母「……逃げられた…か。この桃色の炎、ただの炎じゃなくて吸引性の引っ付く炎なのね。なつ……こんな炎の技術まで、覚えてたなんて」
母「魔技【命令】も効かなかったし、炎も私の方が下。やっぱりなつは、私の計画のジョーカーね。1番の厄介者であり、1番のキーマン。」
母「……でも、このままだと厄介ね。なつが私よりも強いと考えると…すちくんが手に入らないわ。あの子はさほど脅威じゃない分、早く手に入れたいのだけど…」
母「…………しょうがない。荒業で行こうかしら。」
母「待っててね、すちくん。」
第14話「獲物」
コメント
4件
今回も素敵な作品ありがとうございます✨ 次の展開が気になりすぎて夜しか寝れない( ╹▽╹ )
こういう展開めっちゃ好きです! これからも応援してます!