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※三章スタート!
「ただいまー!」
「た、ただいま…?」
デデデ城前に降り立つ。やや困惑ぎみのリリルは、初めての環境を前にして首を回すばかりだった。
「う…よ、酔った…」
「とりあえず空気吸っとけ」
「カエデさん、乗り物酔いひどいんですね…」
「だって今回のワープスターフラフラだったじゃん…ぅえ…重量オーバーなら仕方ないけどさあ…」
カエデがぼやいた通り、ワープスターは重量オーバーの人数を乗せたせいでもう限界だった。前みたいにクリスタルの力は使えないから、今後の移動手段もワープスターに頼ることになりそうだというのに…
「次からは少人数で動こうか…」
「さんせーい…」
ワープスターのためにも、カエデのためにもそうしよう。
「うーん…誰が行くかを決める前に、ちゃちゃっと目的地だけ決めちゃう?」
「いいね!ねえ、リリル…他のみんながどこに落ちていったか分かる?」
「ああ、いいけど…
アンタらだれ?」
「「「あっ」」」
どこかデジャヴじみたやりとりに感じられた。もしやぼくたちは、いつも自己紹介を忘れてしまう運命にあるのだろうか…
「じゃあ改めて!ぼくはカービィだよ!」
「オイラはワドルディっス!」
「わたしはリボンです!」
「あたしはアドレーヌ!」
「俺はデデデ大王様だ!…大王の部分は自称だがな」
「わたしはカエデだよ!」
「ウチはリリル!…って、カエデはちゃんと分かってるから!」
なんとなくノリが身についてきたカエデの成長(?)を感じつつ、次の惑星について考える。なるべく近場であれば助かるのだが、最悪は片っ端から当たっていくしかないかもしれない…
「で…どんなところに落ちたか、だったよな?」
「うん。見た目の特徴とか、周りの星、何ならだいたいの位置とかでもいいからさ」
「うーん…ウチが覚えてる限りだと、水色の――ていうか、水っぽい惑星だった気がする」
「水…ウルルンスターかアクアリスかも!」
「形は丸ではなかったような…」
「これ絶対ウルルンスターだ!じゃあ次はウルルンスターに行ってみようよ!」
水に覆われたみたいな形の星が頭に浮かぶ。綺麗な水平線が懐かしい。…なんだか急に、行ってみたくなった。
「いいねいいね、賛成!あの海岸線をもっと描いてみたいなー!」
「じゃあ、せっかくならわたしも…アドレーヌが勧める場所だもん、絶対きれいに決まってるよ!」
「ウチはパス。…ちょっと、アンタら二人と話したいことがあってさ」
「俺とワドルディにか?別に構わないが…」
真剣そうなリリルの声は、顔とは裏腹にどこか楽しそうで、まあ何かあっても大丈夫ではあろうけども、と勝手に思考を切りあげた。
「じゃあ、ぼくとアドレーヌとカエデは決定として…リボンちゃんはどうする?」
「え…わたし、ですか?…そ、そうですね…」
ちらりと視線が外される。恐らくはぼくの後ろにいるアドレーヌと目で会話でもしていたのだろう。何度か瞳を左右に動かしながら、迷う素振りを見せていた。
「…じゃあ、みなさんが良ければ、わたしも一緒に行きたいです」
「よし、決まりだね!」
ウルルンスターに向かうぼくたち四人はワープスターの待つほうへ、待機の三人は反対へ分かれる。
「分かってるとは思うが、気をつけろよ?」
「うん!帰ってきたら描いたの見せてあげる!」
「へへ、そりゃあ楽しみだな…」
先ほどよりは余裕のあるワープスターに乗り込んだ。きらきらと光のはじける音がぼくたちを包む。
「じゃあ、行ってきます!」
三人が手を振る姿は、次第に見えなくなってしまった。
あとがき
更新ペース早くね…?フジミヤです!
いやほんとになんなんだこのペース…おかしくない?勉強はどうした…?
書きたいこと多すぎて止まんねぇなぁ!
そんなことよりリアルでペンを動かせとツッコミが飛んできそうですが…
では次回!お楽しみに!