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集会所でインガンダ・ルマと他に出せる魚の確認をして、ここで借りる家を手配してもらって、祭りの参加者の証である腕章と祭り専用下着、シーツを受け取った。
計算外だったのは、借りた家が俺とジョン用ではなく、ミーニャさん含めた3人一緒だったこと。
「ミーニャさんは実家に泊まらないんですか」
「私の部屋は妹のラーミャに取られているのニャ。寝るベッドがないのニャ」
なるほど。
なら確かに別の部屋を確保する必要があるわけだ。
ただミーニャさんと同じ屋根の下……と思うと、何だかなと感じてしまわなくもない。
別にエロいことをするつもりはないし、今までも家が隣でしょっちゅう行き来していたのだから問題はないのだけれど。
あと祭り専用の下着とシーツが黒色で、理由が『漏れても目立たないからニャ』というのも何というか、モヤる。
俺には下着や排泄系の変態趣味はないけれど、微妙に……
とりあえず、ジョンが一緒に来てくれていて助かった。
気分的に。
そしてあの集会場から100m程度歩いて、借りた家へ。
2階建てで、1階はリビングと台所と風呂とトイレ、2階が寝室4部屋というつくりだ。
新しくはないが割と広いし、そこそこ掃除も行き届いている。
あれこれ余分なことを考えなければ、快適な造りだろう。
2階の寝室3部屋に、それぞれ祭り用のシーツと下着を置いたところで、ミーニャさんが大あくびをしつつ、こう宣言する。
「眠いので一眠りするニャ。前夜祭は暗くニャったら始まるのニャ。私も匂いがしたら行くニャ。私がいニャくても腕章をしていれば、村の中を自由に歩き回って問題ないニャ」
匂いとはきっと、前夜祭で出される食べ物の匂いという意味だろう。
何だかなと思うけれど、仕方ない。
仕方ないから下のリビングで何をするか考えようか。
そう思った時、寝室に入りかけたミーニャさんが、動きを止めて振り返る。
「あ、そうニャ。その前に養魚場の引換券ニャ」
ミーニャさんは、かけていたポシェットから木札っぽいものを1枚取り出して、俺に渡した。
「これを持って養魚場へ行くと、コイ何匹かを渡してくれるのニャ。最近は引き出してニャいから、大分貯まっていると思うのニャ。全部出してきて欲しいのニャ」
養魚場でコイで、引き出しで貯まっている?
文脈がよくわからない。
ここは確認しておくべきだろう。
「この木札は、何なんですか?」
「お魚貯金ニャ。毎月積み立てると利子がついて、積み立てた金額以上のお魚が貰えるのニャ。ここ1年引き換えていないから、20匹くらいにはニャっていると思うのニャ。この機会に引き出せる分は引き出しておきたいのニャ」
貯金だとすると、本人以外が引き出したらまずい気がする。
「ミーニャさん本人がいかないとまずくないですか?」
「これでもこの通帳は、認証付きニャ。ニャから本人の意図以外で引き落とすことは出来ニャいニャ。今、認証をかけてエイダンに渡したから、エイダンも認証済みニャ。だから問題ニャく引き出せるニャ。あと釣り餌が欲しければ、管理人のホーニャに言えば、養魚場用のコイの餌をわけてくれると思うのニャ。養魚場は前の道を集会所と反対方向に行けば着くのニャ」
この木札は、どうやら通帳らしい。
魔法的に調べてみると、木札の中におそらくはミスリル製の積層魔法陣が仕込まれているのがわかる。
適切な取り扱い魔法を知っていれば、ミーニャさんが言うような機能が使えるのだろう。
それに釣り用の餌が貰えるなら、俺はぜひ行きたい。
しかし貯金相当なら、やっぱり本人であるミーニャさんも一緒の方がいい気がするのだけれど……
しめさば
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#独占欲
「それでは、おやすみなさいニャ」
そう言って、ミーニャさんは再び寝室のベッド方向へ。
扉は閉めていない。
だから歩きながらポシェットを外し、服を脱ごうとしているのが見える。
うん、これはもう駄目だ。
撤退するのが、きっと正しい。
見たくないわけではないけれど、倫理的にやめておいたほうがいいだろう。
ということで、俺とジョンは方向転換。
すぐ前の階段を降りつつ相談。
「それじゃどうする、この後」
「ならここで、少しC級の勉強を進めておくよ」
俺としては、ジョンが一緒にいてくれた方がありがたかったのだが。
慣れない村だし、村で見かけるのは女性ばかりだし、今ひとつ落ち着かないのだ。
何せ前世の神殿は、男性がほとんどという職場だったから。
しかしジョンが冒険者C級の勉強をするというなら、仕方ない。
ひとりで行ってくるとしよう。
「わかった。それじゃ養魚場を回って、軽く釣りも試してくる」
家を出て、ミーニャさんに教えられたとおり、集会場とは反対方向へと向かう。