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外に出るとなんとなく空気が澄んでいるような気がした。

まだ冷えている春初めの空気を目一杯吸って駅に向かって歩き出した。



駅が近づくにつれ社会人や学生が増えてきた。

当て慣れていないカードを当て、自動で空いた改札口を通り駅に足を踏み入れる。

時計を見ると電車が来るまであと4分。


微妙だなー、なんて思ってふと目に付いた椅子に座ろうと向かうと先に座っていた男の子が同じ高校の制服を着ていることに気付いた。

同じ1年かな、なんて考え1個席を開けて椅子に座る。

これって話しかけたら流石に警戒されるかななんて考えていると


_「もしかして、一難高校の制服ですか?」


なんて声が聞こえてきて期待を込めて顔を上げ声の方向を見る。

声の主はあの男の子だった。あれ、なんか見覚えがある。

「そうです!1年生です!あなたは?」

「まじすか、俺もです。」

人懐っこそうに笑った彼は、私の中で今もまだ心に残るあの人物に酷似していて

「…名前なんて言うんですか?」

「潔世一って言います。あなたは?」

それは私の胸にとくん、と響いた。

「…〇〇だよ。覚えてない?、」

これ、覚えられてなかったら悲しいななんて思いながら少し伺うように聞いてみる。

「…え!?〇〇!?覚えてる!」

よっしゃ、なんて心の中でガッツポーズをしたくらいには嬉しかった。


「まじ久しぶりじゃん!中学一緒になるかと期待してたら〇〇と同じ小学校の奴に転校したって聞いて俺もう会えないかと思って…」

さっきのしおらしさからは想像できないくらいのハツラツさで話す彼が私の記憶の中の彼のままで。

「私ももう会えないかと思ってた…ほんとに嬉しい。」

人は嬉しいが極まるともはや落ち着いてしまうらしい。

「あ、隣座ってもいい?」なんて、彼は私の隣の椅子をトントン、と指でつつく。

「もちろん」「ありがと」

彼との距離が近づき肩が触れ合いそうなギリギリの距離で私の心臓はうるさく高ぶっていた。


幼稚園の頃から好きで、たまに思い出しては今何してるのかななんて思ってた人がすぐ横にいる。

まるで憧れの有名人が自分の横で特大ファンサしてるレベルだ。

その後は中学時代の話や、私の引越し先の話をした。

ほぼ初対面みたいなものなのに気まずさなんて1ミリも感じないのは彼のトーク力なのか相性なのか。


すると、電車が来ることを知らせる放送が入った。

時間の流れが随分と早くて、憎かった。

「どうせ目的地も一緒なんだし一緒にいこうぜ!」

私が今1番欲しかった言葉を当たり前のようにくれるこの男を私はどこかでずっと好きだったのかもしれない。


一緒に立ち上がり駅のホームに2人横並びで立って電車が来るのを待った。







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