テラーノベル
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今日は変な夢を見ているようだ。
同じようなシーンを繰り返しされているかのようで一向に視点の進行がない。
子供が信号を無視して車に轢かれそうになる夢、子供や、大人、老人、動物と、バリエーションは色々あるのだが轢かれそうになるということには変わりはない。
轢かれそうになったら毎回私が注意して助けている。時に助けれない人もいる。その時は悔しかった。見ず知らずの人が夢なのに轢かれて、その度私は人を守れなかったという後悔が残る。
そもそもなぜこの夢が永遠に繰り返されているのかが分からない。私が高校へ行くために駅まで向かっていた最中だった。突然として進んでも進んでも、交差点付近に戻されてしまう ループに入ってしまった。
もしこれが夢では無いのであれば一体何なのか、もしかして異世界に送られちゃったりとかそういう期待も山ほど想像したが何もならず、ただ人を助けて助けれなくてという私にとっては無駄な行為だった。
この行為をしていて1番嫌なことがある。
誰にも感謝されない事だ。むしろ無視されているぐらいに目を合わせてくれない。
「危ないよ」と声をかけたら
ビクッと反応はしてくれる。助けてるのに感謝されない、 そういう不満を電柱に蹴りぶつけて発散した。
あれから何日経っただろうか。
今日も車に轢かれそうな人を見つけた。
青年が歩きスマホでイヤホンもしていて、おまけに信号は赤。向こうには人が渡ってこないだろうと自信満々の時速60km程度の車が突進してきている。
「危ないよ」
今回もそうやって声をかけた。
そうすると危ない人を見ているかのようにチラッと目を向けてきた。
やっと反応してくれる人が居たという感激のように車のサイレンがプップー!と鳴った。
「おい!危ねぇぞガキ!ちゃんと信号見ろよな!俺が悪くなくても轢いたら俺が罪に犯されるんだからな!!」
そうして車は去っていった。
こういうことはよくある事だ。
信号が青になり青年が渡ろうとした時私はもう一度声をかけた。唯一私を見てくれた人だからここで別れたくはなかった。この無限ループから出たい一心だったから。
でも青年は立ち去った。
どうして私は避けられるのだろうかと悲しみに暮れていた途端、青年が向こう側の方で何かゴソゴソしている。
そうして下げていたバックから花を一輪出してそっと置き、手を拝借した。
彼は最後に私の方を見て何かを言って、ニッコリと微笑んでいた。