Chapter20.討伐
ミナは胸に手を当て,深く息をする
封印が揺らいだ時の暴走とは違う。 これは——
自分で選んだ力の解放。
白金色の光が、 静かに、でも確実に広がっていく。
ないこが息を呑む。
「……ミナ…… その光……さっきの暴走と違う…… めっちゃ……綺麗……」
「……これが…… ミナの“本当の光”……」
Reluが震える声で呟く。
「……ミナ…… あなたは……あなたのまま……光なんだね……」
セラは涙をこぼしながら微笑む。ミナは一歩前へ進む。
「……僕はもう逃げない。 みんなを守りたいから。」
光が、戦場を照らす。
ミナの光を見た瞬間、 幹部の顔が歪む。
怒りでも嘲笑でもない。 “恐怖”だった。
「……やめろ…… その光は……! その光だけは……!!」
「あなたは…… もう誰も傷つけない。」
「やめろ……やめろォォォ!! その光は…… “我らの天敵”だ!!貴様の光に…… このまま滅ぼされてたまるかァァァ!!」
恐怖に駆られた幹部の身体が、 黒い炎に包まれる。
骨が軋み、 皮膚が裂け、 魔力が暴走する。
「光の器……! お前だけは……この手で殺す!!」
戦場の空気が一気に凍りつく。
幹部の変身を見ても、 ミナは一歩も引かない。
むしろ—— 光がさらに強くなる。
「……僕はもう、怖くない。 みんなが……ここにいるから。」
白金色の光が、 ミナの背中から翼のように広がる。
セラが息を呑む。
「……ミナ…… あなた……本当に……」
「ミナぁぁ!!やったれぇぇ!!」
「……これが…… 僕が守りたかった“光”……」
幹部が真の姿を現し、 黒炎をまとってミナに襲いかかろうとした瞬間——
ミナの白金色の光が、 ふっと揺れた。
その光は怒りでも恐怖でもない。 ただ静かで、澄んでいて、 “守りたい”という意思だけが宿っていた。
ミナは小さく息を吸い、 手を前に差し出す。
「……もう、誰も傷つけさせない。」
バシュッ!!
白金色の光が幹部を包み込み、 球体状の檻を形成する。
「なっ……!? これは……封印魔法……!? いや……違う……もっと……もっと古い……!」
光の檻は静かに輝き、 幹部の黒炎を完全に遮断する。
「……逃がさないよ。 あなたは……ここで終わり。」
その声は優しいのに、 幹部の背筋を凍らせるほどの“力”があった。
「ミナ……! それ……お前の力なのか……!」
「……暴走じゃない…… ミナが……自分で制御してる……!」
「……これが…… “光の器”じゃなくて…… ミナ自身の光……!」
「風が言ってる…… “この光は……優しい檻”だって……」
幹部は黒炎をぶつけるが、 光の檻は微動だにしない。
「やめろ……やめろォォ!! この光は……我らの天敵……! 触れれば……消える……!!」
ミナは静かに目を伏せる。
「……もう終わりだよ。」
光の檻が、 幹部の闇を少しずつ浄化し始める。
「やめろ……やめろォォ!! その光は…… “世界の核”の光……!!」
仲間たちが息を呑む。
ミナは静かに見つめている。
幹部は檻に爪を立て、 絶望の声で叫んだ。
「お前は…… “光の器”なんかじゃない……!!」
「……え……?」
「どういう意味や……!」
「お前は…… “光そのもの”だ!! 世界を創った“始源の光”の欠片!!」
戦場の空気が凍りつく。
「世界を照らし、 魔を焼き、 命を生み、 世界を形作った…… 創世の光の欠片!!」
「その力を持つ者は…… 世界に“たった一人”!!」
セラがミナを見て涙をこぼす。
「……ミナ…… あなた……そんな……」
ないこは拳を震わせる。
「ミナが……世界の……光……?」
「……だから…… だから魔王軍は…… ミナを狙って……!」
「触れれば……闇は消える…… だから我らは恐れた…… だから……封印した……!!」
「 “光の欠片”が目覚めれば…… 魔王軍は……滅ぶ……!!」
「……僕は、僕だよ。 それ以上でも、それ以下でもない。」
光が優しく揺れた。
幹部はその光に怯え、 最後の叫びを上げる。
「やめろォォォ!! その光は……魔を滅ぼす光……!! “創世の光”そのものだァァァ!!」
光の檻が強く輝き、 幹部の声がかき消されていく。
「消えるんだったら、最後に一つだけ教えてあげる。」
「僕はね、 本当に大切なものが何か、わかっている。 それだけだよ。」
幹部が光の檻の中で絶叫し、 その闇が浄化されていくにつれて、 ミナの白金色の光もゆっくりと弱まっていく。






