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岡田「熊本から出れると思いますか?」熊本県小国町の店のうちの一つ。
そこらでは人気のあるラーメン屋だ。
そこで柴田は豚骨ラーメンのチャーシュー2倍のニンニク増し増しを、
岡田は醤油ラーメン煮卵3倍ネギ増し増しを頼んだ。
柴田「それなんだが、少し俺らが不利状態なんだ。」
柴田が渋い顔で言う。
柴田「熊本に接している県が二つあるかつ、そこに接している市町村も多い。」
「そこに警察も手が届く前に、脱出される可能性もある。」
岡田「確かに・・・あ、来ましたよ。」
ラーメンが届いた。
柴田「おぉ、美味そうだな。さてさて、頂きますっと!」
岡田「いただきます。」
ラーメンを一口啜る。
柴田「うめぇ!美味すぎる!」
岡田「柴田さん、口くさいっすよ。」
柴田「ニンニク増し増しなんだがらいいだろ!それより・・・」
岡田「なんですか?」
柴田「そろそろ正体を明かしても良いんじゃないのか?」
岡田「!?」
柴田「お前は岡田淳一じゃあない。お前は・・・」
「お前は飯盛勝だ。」
勝「・・・・・・」
少しの沈黙が続き、勝は口を開いた。
勝「さすが警察官だ。天晴れです。」
柴田が続けてラーメンを啜る。
勝「一体、いつから気づいてたんですか?」
柴田「いつから?そうだなぁ・・・」
少し間を開け、口を開ける。
柴田「勝くんの自殺の通報を受け、飯盛家にいった時、」
「死体を見て違和感を感じた。」
勝「そんな前から感じてたんですか。」
柴田「死後硬直を利用したマネキンには驚かされたね。」
「あれに気づいた時には、もう遅かったね。」
「事件発生から10年も経ったんだから。」
勝「あれは・・・懐かしいですね。」
煮卵を崩しながら話し続ける。
勝「いじめに遭ってすぐ、この場所には居たくないと思いましてね。」
「器用なのを利用して、自分のようなマネキンを作ったんです。」
柴田「内臓部分はよく頑張ってたねぇ。」
勝「あれはきつかったですね。徹夜で作った物がほとんどなので。」
柴田「そうして、マネキンを作り終わったら・・・?」
勝「家出準備をして、計画を実行しました。」
柴田「ここは、俺らも大体予想がついたよ。」
「マネキンの首をロープで吊り、死後硬直がぎりぎり起こる時間帯で準備し、」
「家を出て、見知らぬ土地へ・・・・。」
勝「ああ、見知らぬ土地ではないですね。」
柴田「へぇ、意外に近所?」
勝「確か、10歳の頃に一度行ったことがある、【愛知県名古屋市】です。」
柴田「え、実家は確か、三重県伊勢市だったよね・・・?」
勝「まあ、遠いっちゃ遠いですね。自転車だったんで。」
柴田「そこから、どうしたんだい?」
勝「柴田さん。麺が伸びますよ?続きは後で話しますよ。」
柴田「おっと失礼。ズルズル・・うめぇ!」
次回、Season1最終回「勝の話」