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放課後の教室には、夕日がオレンジ色の光を差し込んでいた。あなたは蒼真に押さえつけられながらも、どこか安心したような心地で息を整えている。長い間続いた焦らしの時間…その濃密な緊張が、今、最高潮に達しようとしていた。
「…我慢できたな」
耳元で低く囁く声に、体は思わずびくっと反応する。指先が背中を滑り、腰に触れる。息を殺しながらも、心は完全に蒼真に捕まっていることを認めざるを得なかった。
「…まだ少し、我慢してみろ」
蒼真は意地悪そうに微笑み、じらすように手の動きを緩めたり、また刺激したりする。小さく「んっ…」と体が反応するたびに、耳元で息をかけ、声を出せないあなたを挑発する。
そのとき、教室の外の足音が遠ざかる。安全を確認した蒼真は、急に距離を詰めて、あなたを抱きしめるように寄せた。体と体が触れ合い、心臓の音が互いに響きあう。
「…もう、我慢しなくていい」
低く囁かれ、あなたは少し震えながらも、やっと肩の力を抜く。逃げ場のない緊張と焦らしの時間が、一気に解けていくように、甘く濃密な幸福感が体を包む。
二人だけの静かな教室の中で、視線も言葉もなく、ただ互いの存在を感じ合う。長かった駆け引きと焦らしの時間は終わり、やっと二人は穏やかに、でも深く繋がったまま、夕日を浴びながら時を過ごす――。
教室の窓の外では、夕日が沈み、空は赤く染まっていく。二人の世界は、もう誰にも邪魔されない。焦らされ、攻められた時間は、甘く温かい記憶として二人の胸に刻まれた――。