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教室の空気は、まだ熱を帯びている。夕日の光が柔らかく差し込み、あなたは蒼真の腕の中で少しだけ肩を落とした。
「…ふぅ、やっと落ち着いたな」
蒼真の低い声が耳元で響き、まだ胸の奥がじんわりと熱い。体を少し離そうとしても、彼の腕が優しく抱き寄せる。
「…あの、蒼真…」
あなたが小さな声で話すと、彼はにやりと笑って、頬を軽く撫でる。指先の温もりに、まだ体はびくびくと反応する。
「安心しろ、誰にも見られなかった」
その言葉に、あなたの胸は少しずつ落ち着きを取り戻す。けれど、まだ二人の間には熱い余韻が残っていて、息遣いや鼓動が近くで響き合う。
「…俺のそばにいてくれ」
蒼真が耳元で囁き、肩に頭を預けると、あなたは自然に彼の胸に顔を埋める。教室は静かで、外の世界はもう遠くに感じる――ただ二人だけの温もりと、甘い余韻が残っていた。
「…もう離れたくない」
あなたの小さな呟きに、蒼真はにやりと笑い、ぎゅっと抱きしめ返す。心も体も、もう完全に二人の距離は縮まったままだ。
夕日が沈み、教室に薄暗さが広がる中、二人は言葉少なに、でも確かに繋がったまま、静かに時を過ごす――甘く、濃密な余韻の中で。