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#日常組
tagu2026226
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第9話「もう、目を逸らせない」
翌朝。
皇宮の執務室には、窓から差し込む柔らかな陽光と、紙をめくる音だけが静かに満ちていた。
リンデン・ト・アルゲンは、机に積まれた書類へと目を落としていた。
帝国の各地から届いた報告書。貴族たちとの会議の議事録。午後に控えた謁見の予定。
いつもと変わらない、公務の朝。
――ただひとつ、いつもと違うことがあった。
「殿下、こちらの書類に署名をお願いいたします」
「ああ」
返事をしながら、リンデンは顔を上げた。
少し離れた場所で、ルカが次の書類を整えている。
昨日、初めて口づけを交わした相手。
自分の腕の中で頬を赤く染め、恥ずかしそうに目を伏せていた、愛おしい側近。
その姿を思い出した途端、リンデンのペン先が止まった。
――何を考えている。
彼は小さく息を吐き、再び書類へ視線を戻す。
しかし、数秒もしないうちに、またルカを見てしまった。
ルカは棚から書類を取り出そうとして、少し背伸びをしていた。届きにくい位置にある一冊を取るため、身体を伸ばしている。
その何気ない仕草さえ、今日のリンデンには妙に目を引くものだった。
白い制服の裾が揺れる。
ルカがようやく書類を取り出し、ほっとしたように微笑んだ。
「よかった……」
小さくこぼれた声。
それだけで、リンデンの胸の奥が落ち着かなくなった。
――可愛い。
頭に浮かんだ言葉を、彼はすぐさま打ち消そうとした。
いや、可愛いと思うこと自体は、今に始まったことではない。
初めて出会った日から、ルカの表情や仕草に心を動かされることは何度もあった。
だが、昨日は違った。
自分の気持ちを少しだけ言葉にして、ルカの許しを得て、初めて口づけた。
そしてルカは、逃げなかった。
それどころか、恥ずかしそうにしながらも、自分からそばにいてほしいと願ってくれた。
その事実が、リンデンの心を昨日までとは違う場所へ連れていってしまったのだ。
「……殿下?」
不意に呼ばれ、リンデンは顔を上げた。
「何だ」
「こちらの書類ですが、先ほどから同じページをご覧になっているようですが……」
「……」
ルカは心配そうに首を傾げていた。
リンデンは手元を見下ろした。
確かに、同じ一文を何度も読んでいる。
「問題ない。少し考え事をしていただけだ」
「そうでしたか。何かお困りでしたら、お申しつけください」
そう言って、ルカはいつものように微笑んだ。
その笑顔に、リンデンはますます困ってしまった。
昨日までは、ルカが自分を頼ってくれることが嬉しかった。
今はそれだけではない。
もっと近くで笑ってほしい。
自分だけに向ける表情を、もっと知りたい。
できることなら、昨日のように手を握り、あの柔らかな声で自分の名を呼んでほしい。
公務中だというのに、考えが次々と浮かんでくる。
リンデンは額に手を当てた。
――これは、思っていた以上に重症だな。
*
昼前。
午後の謁見に備え、ルカはリンデンの外套を用意していた。
「殿下、こちらをお召しください」
「ああ」
リンデンが立ち上がると、ルカは後ろへ回り、外套を肩に掛ける。
いつもなら何も考えずに済む、慣れた動作だった。
ところが今日は、ルカがすぐそばにいるというだけで、妙に意識してしまう。
外套の襟を整える指先。
近くに感じる体温。
そして、作業を終えたルカが一歩下がろうとした、その瞬間。
「ルカ」
「はい?」
リンデンは、思わず彼を呼び止めていた。
ルカが不思議そうに振り返る。
「……いや」
「?」
「何でもない」
言えるはずがなかった。
ただ、もう少しそばにいてほしかったなどと。
昨日口づけを交わしたばかりなのに、今日になって自分がこれほど彼を意識するとは思っていなかった。
リンデンは皇太子として、どのような場面でも冷静であることを求められてきた。
相手の言葉に惑わされず、感情に流されず、常に正しい判断を下す。
それが自分の役目だった。
だというのに。
たった一人の青年が微笑むだけで、心が簡単に乱されてしまう。
「殿下、本当に大丈夫ですか?」
ルカが一歩近づいてきた。
「顔色が優れないように見えます」
「……お前のせいだ」
「えっ?」
「いや、忘れてくれ」
口に出してから、リンデンはしまったと思った。
ルカは目を丸くしている。
「ぼ、僕が何か失礼なことを……?」
「違う。お前は何も悪くない」
リンデンは、いつもより少しだけ強い声で答えた。
ルカの表情が不安に曇るのを見て、すぐに声を和らげる。
「すまない。困らせるつもりはなかった」
「……はい」
ルカはうなずいたものの、まだ少し戸惑っているようだった。
そんな顔をさせたいわけではない。
大切にしたいのだ。
昨日、自分の腕の中でようやく安心したように笑ってくれた彼を、これからも。
リンデンはそっと手を伸ばしかけ、途中で止めた。
ここは執務室だ。
そして、ルカにも心の準備というものがある。
自分の気持ちばかりを優先してはいけない。
「ルカ」
「はい、殿下」
「今夜、公務が終わったあと……少し時間をもらえるか」
ルカは瞬きをした。
「僕でよろしければ、もちろんです」
「そうか」
それだけの返事をするのに、リンデンは妙に安堵していた。
今夜、もう一度きちんと話そう。
昨日の口づけを、なかったことにはしたくない。
あれが一時の感情ではなく、自分にとって大切な一歩だったのだと、伝えたい。
そして、ルカが望むなら。
これから先も、少しずつ距離を縮めていきたい。
*
午後の公務を終えた頃には、窓の外が夕焼けに染まっていた。
最後の書類に署名を終えたリンデンは、ようやくペンを置いた。
「本日の公務は以上です」
ルカが記録をまとめながら告げる。
「ご苦労だった」
「ありがとうございます。殿下も、お疲れさまでした」
ルカは微笑み、書類を胸に抱えた。
その笑顔を見た瞬間、リンデンは朝から何度も繰り返してきた自問を思い出す。
どうして、こんなにも目で追ってしまうのか。
どうして、声を聞くだけで嬉しくなるのか。
答えなら、とうに分かっていた。
ただ、認めてしまえば、もう以前の自分には戻れない気がしたのだ。
「ルカ」
「はい」
「こちらへ来てくれ」
ルカは素直に歩み寄った。
リンデンは彼の前に立ち、少しだけ迷ってから口を開いた。
「昨日のことを、覚えているか」
ルカの頬が、たちまち赤く染まった。
「……忘れるはずが、ありません」
小さな声だった。
けれど、その言葉はリンデンの胸に深く届いた。
「そうか」
彼は静かに微笑んだ。
「私もだ」
そっと手を差し出す。
ルカは一瞬だけ迷ったあと、その手を取った。
指が重なり合う。
それだけで、朝からずっと落ち着かなかった心が、少しずつ満たされていくようだった。
「……今夜は、もう少しだけ一緒にいてほしい」
リンデンが告げると、ルカは驚いたように顔を上げた。
「僕で、いいのですか?」
「お前がいい」
迷いのない答えだった。
「私は、誰でもいいからそばにいてほしいわけではない。お前だから、こうして一緒にいたいのだ」
ルカの瞳が揺れた。
そして、今度は彼のほうから、握った手にそっと力を込める。
「……僕も、殿下と一緒にいたいです」
リンデンは息をのんだ。
その言葉が、何より嬉しかった。
彼はルカの手を大切そうに握り直し、指先にそっと口づけた。
「……今夜、少しだけ甘えてもいいだろうか」
「えっ……?」
「お前が嫌なら、何もしない。だが、今は……もう少しだけ、お前のそばにいたい」
いつもは誰にも弱さを見せない皇太子が、こんなにも素直に願っている。
ルカは頬を染めたまま、ゆっくりとうなずいた。
「……はい。僕も、殿下と一緒にいたいです」
その返事を聞いたリンデンは、ようやく心から笑った。
昨日交わした口づけは、終わりではなかった。
二人が互いの気持ちを知り、これから少しずつ近づいていくための、始まりだったのだ。
リンデンは困惑するルカが愛おしくてたまらなかった。
リンデンはまたルカに口づけをした。
昨夜とは違い長く、するとたまらなくなったリンデンはルカの口の中に舌を入れる。
ルカは驚いて腰を震わせた、それすら愛おしい、リンデンはルカの腰を支えそのままベッドへと誘導した。
リンデンは、目の前のルカから目を離せなかった。
昨日、初めて口づけたときと同じように、ルカの頬は赤く染まっている。
けれど、今日は昨日よりも近くにいたいと思ってしまう。
もう一度、その名前を呼んでほしい。
もう一度、自分を見つめてほしい。
そんな願いが、胸の奥で膨らんでいく。
「……ルカ」
「はい、殿下」
返事をしたルカの手を、リンデンはそっと握った。
「もう一度、口づけてもいいか?」
ルカは驚いたように目を見開いたあと、小さくうなずいた。
ベッドへ来るとリンデンはルカを押し倒す
どんどんとボタンを外していく。
顕になったルカの白い肌にリンデンは口づけを落としていく、1箇所1箇所大切に、、、
「ん….//」
ルカが小さく声を出す。リンデンはその声に興奮する。
「可愛らしい声だ…ルカ…私を見てくれ」
リンデンの手がどんどんルカの服を脱がせていく。
「や…//!で…殿下…!」
「嫌か?」
「そ…そういうわけでは….」
「優しくする…」
そういうとリンデンはまたルカに触れた。
柔らかい肌、可愛らしい声、全てがリンデンを興奮させる。
「やっ…///殿下….」
そう声が盛れる度、リンデンの余裕は無くなって行った、、、
コメント
1件
うわ、2人の距離がぐっと近づいた回…!リンデンがルカを意識しすぎて公務に集中できないの、可愛すぎてにやけるわw「重症だな」って自覚してるのに目で追っちゃう感じ、初恋の典型みたいで尊い。「お前だから一緒にいたい」って台詞、グッときた…。ゆっくり関係を育んでいこうとするリンデンの誠実さが伝わってきて、次が待ち遠しいです🔥