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この惑星は不気味だ。湿り気が多く、とてもいやな気持ちになる。
妙に明るい空を見れば用途不明の階段が浮いている。その階段はしきりに「キィキィ」と鳴る。
景観は最悪だ。分解者がいないのか、くちた大木は朽ちたまま放置されているようで一部は石炭になっている。以前この惑星にいた支配的な霊長類は滅びたようだ。いたるところに化学物質が転がっている。
しばらく探索していると、おそらくかつての都市部であっただろう場所についた。鉄筋コンクリートは完全に崩れ、苔むし浸水している。水の中は藻がたくさん発生していて、ところどころポンプがある。どうやら食料になり得るものは苔と藻しかない。どういうわけかこの星の水辺には魚はいないし、ザリガニすらいない。地上は裸子植物以外は生えてないし、虫はいない。動物もいない。
しばらく辺りを歩いていると黄土色の泥に飲み込まれそうになった。とても嫌な気持ちになり、帰りたくなった。
落ち着いたところでまた空を見る…
…やはり、階段は無数に浮いている。