コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私は江戸時代、「お露」という名前だった。
私はとある茶屋で看板娘として働いていた。
看板メニューは饅頭。
茶屋には色々な人が来たし、常連も数名いた。
そしてある日、私の店に現れた一人の武士…。
彼の存在は。人生の最初で最後の恋をさせる存在だった。
彼に料理を渡した時。
手が触れたんだっけ。
ドキドキしてたなぁ、心臓が。
彼が目を合わせてくれた時、思わずそっぽを向いちゃったんだっけ。
もったいないなぁ、前世の自分が。
あの日、彼は身分を隠して私にみたらし団子を奢ってくれたっけ。
かっこいいからそれでいいのよ。
いろんな思い出が駆け巡ってきた。
そして最後に…
心中の時を思い出した。
「俺はおつゆのことを愛している。でも禁じられてるんだから…」
「ええ、わかっているわ。だからここでーー。」
どうどうと川の流れが激しくなった。
耳の奥にごうごうと風の音が入る。
川へ…
ひんやりしていた川。
最初は体温で耐え忍んでたけど、ついに琴の音はやんだようだった。