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城プル
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ゆゆゆゆ
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#elliot
ゆゆゆゆ
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瓦礫の隙間。
崩れた壁の向こう。
そこに――あった。
「……」
小さな畑の名残。
枯れかけているが、完全には死んでいない。
その中に。
「……トマト」
赤。
土の中で、まだ生きている色。
手を伸ばす。
触れる。
柔らかい。
「……」
その瞬間。
――フラッシュ。
「っ――」
視界が歪む。
赤が、広がる。
トマトの赤じゃない。
もっと濃い。
もっと、生々しい。
「……やめろ」
頭を押さえる。
でも、止まらない。
「おい!!」
声。
必死な声。
「逃げろ――!!」
振り返る。
そこにいたのは――
笑っていたやつ。
いつも、軽くて。
空気を明るくしてたやつ。
「……エリオット」
名前が、出る。
はっきりと。
「……っ」
息が止まる。
「……お前」
記憶が、繋がる。
一気に。
「……なんで」
エリオットが、前に出る。
自分を庇うように。
「来るなって言っただろ!!」
怒鳴る。
でも、笑ってる。
いつもみたいに。
「大丈夫だって」
軽い声。
「俺が何とかする――」
その次の瞬間。
影が、落ちる。
速い。
見えないほど。
「……」
赤が、飛ぶ。
「……っ」
エリオットの体が、揺れる。
その背後に。
「……」
あいつが、いた。
ノスフェラトゥ。
今と同じ、赤い瞳。
同じ、距離。
同じ、捕食者の目。
「……」
視線が、合う。
あの時と。
今と。
何も変わっていない。
「……」
エリオットが、倒れる。
「……」
名前を呼ぶ声。
自分の。
「エリオット!!」
響く。
でも、もう遅い。
「……」
血の匂い。
静寂。
そして――
「……」
記憶が、止まる。
「……っ、は……っ」
現実に戻る。
手の中には、トマト。
潰れている。
赤い汁が、指に付いている。
「……」
震える。
「……なんで」
今まで、出てこなかった。
いや。
違う。
「……思い出さなかっただけか」
呟く。
自分で、避けていた。
あの記憶を。
あの事実を。
「……」
ノスフェラトゥ。
あいつは――
「……殺した」
はっきりと、言葉にする。
エリオットを。
自分の目の前で。
「……」
沈黙。
風が吹く。
トマトの匂いが、まだ残っている。
さっきまでの“作りたい”気持ちが、遠くなる。
「……」
立ち尽くす。
ここで。
選べる。
「……」
戻るか。
何もなかった顔で。
あの城に。
あいつのところに。
「……」
それとも。
「……逃げるか」
呟く。
このまま、どこかへ。
一人で。
もう関わらない。
「……」
心が、揺れる。
怒り。
恐怖。
そして――
別の感情。
「……」
あの夜。
噛まれそうになって。
止まった。
あの時の顔。
「……」
血を吸った後。
ちゃんと、離れた。
あの距離。
「……」
朝、近くにいた理由。
下手な言い訳。
「……」
全部が、浮かぶ。
「……」
拳を握る。
「……どうすんだよ」
誰に言うでもなく。
自分に問う。
「……」
風が吹く。
トマトの蔓が、わずかに揺れる。
赤が、目に入る。
「……」
エリオットの声が、かすかに残る。
“逃げろ”
「……」
でも。
足は、動かない。
まだ。
決めきれない。